楽曲制作の0から100までをパソコン上で行う事のできる今の時代。音楽制作に欠かせないのがデスクトップミュージック(DTM)だ。しかし、やれることの範囲が多すぎて何が何だかわからないという人も多いであろう。

特に音に変化や効果を与えて演出する「エフェクト」についてはDTMでの制作経験がある人ならまだしも、未経験の人から見ると、言葉だけではさっぱりかもしれない。

そんな人に向けて、イギリスで30年以上の歴史を持つダンスミュージックとクラブカルチャーの専門メディアの日本版「Mixmag Japan」のツイッターアカウントがこんな画像を投稿した。


Mixmag Japan(@MixmagJapan)さんのツイートより

キュートな秋田犬が圧縮されたり、響かせたり――なんでこんな目に遭っているのだろうか。

「全然わかんないけどめっちゃ分かった」

改めてMixmag Japanのツイッターアカウントが投稿した画像を見ると、秋田犬が振り回されている理由がわかる。

実はDTMエフィクトを秋田犬で解説しているのだ。つまるところ、ディレイだと音を遅らせて反響させるように鳴らす、リバーブは音の残響(エコー)を加える、コンプレッサーは音量の大小の差を少なくする、マキシマイザーは音が割れことがなく音圧を高めるといった具合だ。

そのままの秋田犬にDTMでエフェクトをかけると画像のようになる――といったものだが、これでも経験者寄りの内容に思える。しかし、なんともシュールな画像、2019年9月5日18時までにリツイートが1万5000件を超えるなど大反響だ。

投稿のリプライ(返信)欄には、

といったコメントが寄せられており、わかるわからないを抜きにして魅力が伝わったようだ。

しかし、なぜ秋田犬でエフェクトを解説しようと思ったのか。Jタウンネット編集部はツイッターのダイレクトメッセージ(DM)を通じてMixmag Japanツイッターアカウントの中の人に接触。この画像を作った経緯を聞いた。

Mixmag Japanが取り扱うジャンルはダンスミュージックを中心としたもの。それ故に一般の層に中々コンテンツが引っかからないのが悩みだったそう。一般の層に引っかかるコンテンツはなにかないか――そうした時に中の人のDTMの経験がヒントになった。

「エフェクトに関してはある程度知識がありました。しかし、エフェクトというのは一般的にはあまり知られていない知識かと思います」
「そこで、秋田犬という、誰もが親しみやすいものを通じてエフェクトの解説画像を作ることを思いつき、投稿したところ、多くの拡散をいただいた次第です」

反響についても「DTM自体もそこまで一般的なものではない」とした上で、

DTMをやっている方は共感を得られ、エフェクトについてあまり知らないという方からは『なるほど』というお声を頂いています」
「ここまで大きな反響があったのは予想外でした」

とコメントした。

確かにちょっと専門的なイメージが先行する画像ではあったが、どういうわけかDTMに馴染みのない層まで届いている。秋田犬のパワーは思った以上に強大だったのだろう。

このほかにも投稿のリプライ(返信)欄には、

など秋田犬ではないものの、犬でエフェクトを解説する画像が何個か登場した。

犬でDTMを解説――これで本を出したら爆発的にユーザーが増えそうだ。