「右手で? これ、思いっきりヤラセ!」  

 そう言うと、人気ヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」の宇多丸(50)は、本誌カメラマンの指示どおり「いかにも」なポーズを取った。8月23日夜、テレビの生放送を終えた直後のことだ。じつは、この「直撃取材」に至るまでに、本誌と宇多丸による攻防戦が繰り広げられていたのである。

 宇多丸が離婚協議の末、数年前から妻と別居中−−。関係者から得たこの情報をもとに取材を始めたことから、すべては始まった。  

 宇多丸は、1989年にライムスターを結成。以来、日本のヒップホップシーンの黎明期から活躍し、2019年で結成30周年を迎えるカリスマラッパーだ。サングラスと剃り上げた頭をトレードマークに、音楽はもとより、映画やアイドルにも精通し、人気ラジオパーソナリティとしての顔も持つ。

 そんな宇多丸は、2011年に一般女性と結婚。公表はしているものの、「プライベートは切り売りしない」が信条の彼の口から、夫婦生活が語られることはほとんどなかった。謎のベールに包まれた「離婚協議」と「別居」情報を本人に確かめるべく、8月22日、自宅前で直撃した。

−−『FLASH』です。

「わーお。すげぇ」

−−離婚協議中と聞きました。

「してないですよ。(離婚の予定も)ないです」

−−別居されていますよね? 

「仕事の都合もありますから。僕が行ったり、彼女が来たり」

−−では、今の夫婦仲は? 

「皆さんと同じで、夫婦仲が上下することはありますけど、仲いいですよ。これ、ラジオで話していいですか?(笑)」 

「極秘離婚」はきっぱり否定。そして、その約1時間半後、TBSラジオ『アフター6ジャンクション』では、宣言どおり番組冒頭からこの話に……。 

「びっくりしたんですけど、俺、初めて写真週刊誌に取材されました! ついさっきですよ。

 たしかに、『離婚だ!』となりかけたことはある。でも、今はちゃんとやり直しましょうと。いろいろありましたけど、(夫婦関係は)良好です」

 そして、本誌に対し、ラジオでこう煽ったのである。 

「動揺していたんでしょうね。『しまった!』ってことが1件ありまして。『俺、サングラスしてねーじゃん!』と。明日、サングラスしたモードで撮り直しお願いします(笑)」

 たしかに、直撃したときはメガネ姿だった。カリスマから全国に向けて “リクエスト” を呼びかけられては、行くしかあるまい! そして翌23日夜、サングラスをかけているところを、冒頭の再「直撃」となったわけだ。

「まさかほんとに来るとは……(笑)」と苦笑しながら、2日連続の取材に応じた宇多丸。最後に、「ご足労ありがとうございました」と記者とカメラマンを気遣って立ち去った。

 カリスマらしい貫禄、あっぱれです!

(週刊FLASH 2019年9月10日号)