『ルパンの娘』で禁断の恋を演じる、深田恭子の「恥ずかしい!」衣装
泥棒一家の娘と警察官一家の息子との禁断の恋を描いたコメディー、ドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系・木曜夜10時〜)に主演する深田恭子の“泥棒スーツ”にも注目が集まる同作品。そのこだわりを、プロデューサーが激白!
女性にウケた“ロミジュリ感”
泥棒一家の娘と警察一家の息子との禁断の恋を描いたラブコメディー。原作は、横関大の同名小説。
主演の深田恭子は、悪党しか狙わない泥棒一家“Lの一族”の娘・三雲華を演じる。華に結婚を申し込んでいる桜庭和馬を演じるのは瀬戸康史。和馬は泥棒逮捕専門の捜査三課の刑事で、桜庭家は代々警察官の家系。
華は泥棒と警察官の禁じられた恋に思い悩み、泥棒稼業と無縁に生きたいと願っている。だが、Lの一族を逮捕しようと奔走する和馬が悪党に襲われ、窮地に陥いると、彼を助けるため、父(渡部篤郎)や母(小沢真珠)とともに泥棒に手を染めてしまう。
「脚本家の徳永友一さん、武内英樹監督、僕と3人のおじさんがキャッキャ言いながら作っています(笑)。おじさんによる、おじさんのためのドラマになってないか……女性が見てくれなかったらどうしようと心配していたんですが、たくさんの女性視聴者が見てくださっていて、うれしいです」
と、稲葉直人プロデューサー。昨今のドラマの潮流と一線を画した作品を、との思いで制作しているという今作には、Lの一族が泥棒スーツを着る、毎回盗みに入るといったオリジナルが盛り込まれている。
「小説を読む前、原作のタイトルや帯に書かれた文言を見たときに勝手にイメージしてしまった要素です(笑)。原作にもある禁断の恋『ロミオとジュリエット』の“ロミジュリ感”を強めつつ、オリジナルキャラで華の幼なじみの円城寺(大貫勇輔)を投入しています」(稲葉P、以下同)
突如現れる円城寺が歌って踊って、ミュージカルの世界へといざなうのも今作ならでは。第3話(7月25日放送)からは和馬の見合い相手の橋元エミリ(岸井ゆきの)が登場し、華の恋敵に、円城寺は和馬の恋敵になるのもオリジナルだ。
ふだんは控えめな女性だが、悪党にはにらみつけて“あんたが犯した罪、悔い改めな”と、ドSっぷりを発揮する華役のオファーを深田が快諾したときは、ガッツポーズしたという。
「深田さんは(身体のラインが出る)泥棒スーツを着るとき“恥ずかしい!”と言い続けています(笑)。華と和馬の“ロミジュリ”感の場面も最初は恥ずかしがっていたけれど、最近は楽しんでいるようです。深田さんにとっての“恥ずかしい!”ことは、イコール深田さんの魅力をどんどん引き出すことになるんです(笑)。恥ずかしさと戦いながらの深田さんの華をぜひお楽しみください」
ギリギリカッコいい“泥棒スーツ”
華が図書館司書の昼の顔と、泥棒の夜の顔がまるで違って見えるようなメリハリ、痛快さに加えて大切にしているものがあるそう。
「“ギリギリ感”です。B級感があったり、ふざけすぎていたりするけれど“ギリギリ”のところで品やカッコよさを保つ。円城寺の場面なども、プロダンサーの大貫さんでなかったらすべってしまうシーンです」
Lの一族の“泥棒スーツ”もそのひとつ。
「衣装デザイナーの柘植伊佐夫さんには、それぞれのイメージカラーを反映しつつ戦隊ものにならない絶妙なラインをお願いしました。結果、とても素敵なデザインにしていただきました」
深田と7年ぶりに共演する瀬戸は、役作りのため体形をビルドアップ。
「瀬戸さんは女装する役ができるほど細いので、今回は警察官ということもありオファー時にビルドアップをお願いしたんですが、1か月後くらいに初めてお会いしたらすでにカッチカチに(笑)。
すぐに肉体改造を始めてくれたそうです。
華の兄役の栗原類さんは深田さんより12歳下。母役の小沢さんと深田さんは6歳しか違いませんが、撮影現場で見ると、ちゃんと家族に見えるんです。
父役の渡部さんはすごく考えているし、周りも見ていて、人の気持ちも察してくださいます。大黒柱としていてくれるので、Lの一族が成立している要因のひとつでしょう。
今作はぶっ飛んだ設定のコメディーですが、グイグイ、キュンキュン、ラストは感動していただきます。絶対に損はさせません!」
愛犬、名演技の秘密桜庭家の愛犬・ドンは、元警察犬。家族のシーンに登場するとき、しゃべっている人の顔を見る名演技を見せているが……。
「ドンは合成です。家族のシーンを撮り終え、役者さんがスタジオを出た後にドンだけで撮影します。そうでなければ、あそこまで絶妙のタイミングで人を見ませんよ(笑)」(稲葉P)
“真剣、勝負”!?和馬の祖父、和一(藤岡弘、)は、初回に見事な剣術を披露した。
「藤岡さんにオファーした際、“真剣を使ったシーンを考えてほしい”とご提案いただいたんです。スタジオでは全スタッフが退出し、和一が真剣(藤岡の私物)で技を繰り出した後、刀を鞘に納めるまでのシーンを藤岡さんおひとりでの撮影でした。第3話では、和一の剣を華が真剣白刃取りする場面がありますが、これは真剣を使っていないのでご安心ください(笑)」(稲葉P)