リビン・テクノロジーズ 川合 大無 代表取締役社長

 4月の金融政策決定会合後の会見で日銀の黒田総裁が、「20年春頃までは金利を引き上げる検討は全くない」と強調したことで、超低金利政策と異次元の金融緩和はしばらく継続するというのが市場での大半の見方になっています。さらには、ここ数年の相続税の課税強化の動きもあり、個人向けの不動産の需要は底堅く、継続するものと思われます。

 そのような追い風の市場環境もあり、当社への求人依頼はかなり堅調に推移しています。特に顕著なのが、地価が高騰している三大都市圏を中心としたエリアです。用地仕入、売買仲介、買取再販などの職種のニーズが多いのも目立ちます。

 東京23区では新築分譲マンションの平均価格が7000万円を超えましたが、それでも都心人気は衰えず、デベロッパーにとって用地取得は困難を極めています。

 そのため、土地の情報収集から、買取交渉、開発プランまで立てられる用地仕入れのプロのニーズが高まっています。特に宅建を所持しており、契約書関連の作成や住宅ローンをまとめられる売買仲介の経験者のニーズは高いです。

 また、新築分譲マンションは手が届きにくくなっている現状もあり、価格を抑えられる「中古+リノベ」物件が人気で、大都市圏の一等地で職住近接を好むパワーカップル向けの再販事業者からの問い合わせが増えています。

 採用成功のポイントは、求職者が希望する未来、生活、人生と、自社のキャリアをリンクさせられているかどうかだと思います。

 将来的に、大型の戸建開発をやりたいと言っている求職者に、賃貸仲介のカウンターセールスの話をしても難しいですが、まずは土地の仕入れ交渉からスタートするのはと打診することは理に適っています。もちろん、口説けない場合もあります。その時は、多少強引でも「頼むからうちに来てくれ!」とはっきり言うことです。不動産業界の人たちは「人が好き」「交渉が好き」が多く、最後の決め手は熱意だと思います。