国際宇宙ステーションのコマンダー(司令官)を務めたこともある元NASAの宇宙飛行士テリー・バーツ氏は、合計3回のミッションで地球の軌道上を3400回以上も周回した経験を持つベテラン宇宙飛行士です。そんなバーツ氏が、今度は平均時速827kmのジェット機で地球をもう1周し、世界記録を樹立する様子をライブ配信する計画を立てています。

One More Orbit

http://www.onemoreorbit.com/

Around the world in 48 hours? Former astronaut to attempt global speed record | Ars Technica

https://arstechnica.com/science/2019/07/former-astronaut-leading-effort-to-beat-earth-circumnavigation-record/





48時間の旅程を地図で表すとこんな感じ。



アポロ11号の月面着陸から50周年を記念する今回の挑戦「One More Orbit」は、アポロ11号をのせたサターンVロケットが1969年7月16日午前9時32分(EDT)に打ち上げられたことにちなみ、2019年7月9日午前9時32分(日本時間で同日22時32分)からスタート。ミッションを指揮するバーツ氏やHamish Harding氏と4人のパイロットらを乗せたジェット機はアポロ11号と同じケネディ宇宙センターから出発します。



北極の上を飛んだジェット機は、まずカザフスタンの首都ヌルスルタンにあるヌルスルタン・ナザルバエフ国際空港で給油します。ここでさらに、2015年6月に当時の宇宙滞在時間歴代1位を塗り替えたロシアの宇宙飛行士ゲンナジー・パダルカ氏がミッションに加わるべくジェット機に乗り込みます。



その後、インド洋を縦断して南極の上空を通過。その途中でモーリシャスのサー・シウサガル・ラングーラム国際空港やチリ共和国のプレジデンテ・カルロス・イバニェス・デル・カンポ国際空港での給油を経てケネディ宇宙センターに到着します。



スタートからゴールまでの時間は49時間36分の予定で、これが達成できれば2008年に航空会社TAG Globalの副社長Aziz Ojjeh氏らが樹立した世界一周記録を23分破ることが見込まれています。使用するのは、最高速度マッハ0.925にも達するビジネスジェット・ガルフストリーム G650ERです。

この挑戦はドキュメンタリーとして記録されるほかライブ配信も予定されていて、公式サイトにアクセスするとバーツ氏らが2019年7月9日午前9時32分(日本時間で同日22時32分)に出発するまでのカウントダウンが表示されています。



バーツ氏はTwitterで「One More Orbitが楽しみだ!」とツイート。





計画通り世界記録を達成することができれば、記録は国際航空連盟(FAI)およびギネス世界記録に認定される予定だとのことです。