ギヤ操作を行う方の反対側で細かな操作をするのが基本

 ご存じのように、日本車のウインカーは右。輸入車は左ハンドルだろうが、右ハンドルだろうが、基本は左。ごく一部に日本仕様の右ハンドルは右ウインカーにしてくれた輸入車もあったが、そうしたからといって販売が爆発的に上向くでもなく、最近は見かけなくなってしまった。

 輸入車はISOで左ウインカーと決められていて、日本の場合はJISで右ウインカーが定められているからそうなっているというのはあるが、そもそもなぜ輸入車は左にウインカーがあるのか? 日本車はなぜ右なのか?

 もともと、左ハンドルの国もその昔は右ハンドルだったのだ。クルマが普及した初期、1910年ごろのヨーロッパ車の写真を見ても、右ハンドルだったことがわかる。

 理由はちゃんとあって、当時はフロアシフトはなかったというか技術的に難しかったので、ギアシフトやハンドブレーキは外に設置してあった。

 別に左側でもいいように思えるが、右のほうがシフトをするのに力が入れやすい(今みたいスコスコ入るわけではない)ということで、右手で外にあるシフトを操作すべく右ハンドルとなった。そうなると、細かい操作は左手が行なうのが自然な流れだ。後年、フロアシフトに移行しても右手でシフト、左ウインカーとなり、現在に至っている。

シフト操作がウインカーレバーの位置に関係している

 日本の場合も同じで、まず左側通行に合わせて右ハンドル。さらに日本の自動車の歴史は浅いので当初からフロアシフトやコラムシフトが車内に設置されていたし、コツをつかんでギヤの回転を合わせて押し込むようにしないとまったく入らないということもなく、左手での操作も容易だった。

 そうなると、輸入車と同じようにギヤの操作を行なう左手の反対側ということで、右ウインカーとなったわけだ。

 右ハンドルの輸入車でMTに乗ってみるとわかるが、シフト操作とウインカーを左手ですべて行わなくてはならず、せわしないことは確か。輸入車にしても日本車にしても、ウインカーはシフトと反対の手で行うのがそもそも基本だったということだ。