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出版大手カドカワ前社長で、ニコニコ動画を運営するドワンゴの創業者である川上量生氏と、作家・投資家の山本一郎氏との間で、「法廷バトル」が繰り広げられている。ネット上で抜群の知名度を誇る2人の争いとあって、注目をあつめる。

●3つの訴訟が進行している

実は現在、3つの訴訟が東京地裁で進行している。

発端となったのは、川上氏が昨年11月7日、山本氏が投稿したサイトブロッキングをめぐる記事やツイートが、カドカワや川上氏個人に対する攻撃にあたるとして、記事の削除などをもとめる通知をしたことだ。山本氏は同11月14日、川上氏らを相手取り、削除義務の不存在を確認する訴訟を起こした。山本氏側はのちに、損害賠償200万円の請求を追加している(第1弾訴訟)。

2つ目は「1円訴訟」と呼ばれている。ツイッター上で「カワンゴ某は馬鹿だから二枚舌にまったく気づかない」などと書き込まれて、名誉を傷つけられたとして、川上氏が昨年12月10日、山本氏を相手取り、損害賠償1円をもとめて提訴した。なお、訴状には、「(原告の川上氏は)『カワンゴ』の愛称で呼ばれることがある」と記されている(第2弾訴訟)。

●多数の傍聴者が詰めかけたことも

3つ目は、山本氏が、川上氏を相手取り、損害賠償500万円をもとめた裁判だ。川上氏にインターネット上に「虚言を述べる」「クズ」「ごろつき」「第三者から金銭を脅し取ってる」などと書かれて、社会的評価を落とされ、名誉を傷つけられたとして、山本氏が今年2月27日に提訴した(第3弾訴訟)。

これまでもネット上の舌戦を展開していた2人が、現実の法廷で争っているということもあり、昨年12月17日の第一弾訴訟の第1回口頭弁論には、多数の傍聴者が詰めかけた。4月12日も、第3弾訴訟の第1回口頭弁論が開かれたが、いずれも弁論準備手続きがつづいており、終結まで時間がかかりそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)