by Nordseher

菜食主義やベジタリアンに対する関心が世界的に高まっていますが、それに伴い「菜食主義のペットフード」の開発も行われるようになっています。新たな調査で犬や猫の飼い主3673人を調査したところ、そのうち35%が自分のペットに対して植物ベースのペットフードを与えることに興味を持っていることが判明しました。

Plant-based (vegan) diets for pets: A survey of pet owner attitudes and feeding practices

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0210806

There's a Concerning Trend of Pet Owners Wanting to Turn Their Carnivore Animals Vegan

https://www.sciencealert.com/a-surprising-number-of-people-want-to-feed-their-cats-and-dogs-a-vegan-diet

この調査は、ペットの飼い主がどの程度ペットの肉食を回避しようとしているのか、そして結果としてペットの食事がどのくらい影響を受けるのかを調べたもの。調査の結果、回答者全体の5.8%にあたる212人が菜食主義であり、うち78%がペットに植物ベースの食事を与えることに興味を示し、27%が実際にペットの食事を植物ベースに変えていたことが判明しました。また1人に至ってはペットの食事を完全に菜食に変えていたそうです。



by Ish_Ka

「27%という数字は小さく聞こえますが、実際に関わっている動物の数は想像以上に大きいものです」と調査を実施したカナダ・グエルフ大学獣医のSarah Dodd氏は述べています。犬は雑食性の肉食動物であり、猫は完全な肉食動物です。つまり、犬は必要であれば植物ベースの食事でも生きていくことができますが、それでも犬が健康的に生活を送れているかどうかには十分に注意しつつ食事を与える必要があります。一方で猫は植物を含む食事を取ることができるものの、肉ベースの食事でなければ健康的な生活を送ることができません。つまり、2019年時点の知識でいえば、猫に菜食の食事を与えることはいいアイデアとはいえないわけです。

この調査で「ペットに菜食主義の食事を与えることに興味を持っている」と答えた人が多くいたものの、「栄養的に問題がない菜食の食事がない限りは与えない」と意志を示した人が多かった点が「よいニュース」だとDodd氏は示しています。また調査対象の半数以上が「猫や犬に植物ベースの食事を与えることは不適切だ」と考えていたとのこと。

菜食であることは環境やメンタルヘルス、肉体的な健康にもよいとして近年は注目されており、それに伴い菜食主義を取り入れたペットフードへの注目も高くなっています。「実際に、植物ベースの食事をペットに与えている人は少数ですが、この種の食事への注目は今後も高くなっていくといえるでしょう」とDodd氏は語りました。



by coyot

ただし、植物性の食事がペットに与える影響については、さらなる調査が必要。研究が進み、ペットに対する菜食が持つリスクや影響がはっきりしない限りは、獣医への相談なしにケールスムージーを猫に与えたり、菜食主義の食事を犬に与えたりしないように、とDodd氏は注意を促しました。