by NOS

オランダ空軍の戦闘機が訓練中に被弾する事件が発生したとオランダの国営放送局(NOS)が報じました。戦闘機は被弾した後、付近の空軍基地に緊急着陸に成功し、パイロットや基地の地上要員にけが人はいませんでした。事件後に空軍当局が確認調査を行ったところ、被弾は自機の機関砲で発射した砲弾によるものであることが判明しました。

F-16 boven Vlieland geraakt door eigen kogel | NOS

https://nos.nl/artikel/2278988-f-16-boven-vlieland-geraakt-door-eigen-kogel.html

Dutch F-16 flies into its own bullets, scores self-inflicted hits | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2019/04/dutch-f-16-takes-cannon-fire-from-itself/





事故があったのは2019年1月21日で、オランダのフリーラント島で2機の戦闘機が射撃訓練中を行っている最中に発生しました。

事故発生時には2機の戦闘機が訓練を行っていましたが、そのうち1機が標的に向けて発砲した後、少なくとも1発が自機に命中。パイロットは緊急事態発生時の手順に従い、付近のレーワルデン空軍基地に着陸しました。パイロットを含め事故による人的被害はありませんでしたが、戦闘機はかなりの損傷を被ったとのこと。弾丸は戦闘機の装甲を貫通してエンジンを破損させており、機体内部からは砲弾の一部が見つかっているとのことです。事故があったオランダ空軍の戦闘機は、アメリカのジェネラル・ダイナミクス社が開発したF-16戦闘機で、M61 バルカン(M61A1)という機関砲を装備していました。

戦闘機から発射された砲弾がその戦闘機に命中した事例は極めてまれですが、前例がないわけではありません。科学技術系ニュースサイトArs Technicaによると、1956年にアメリカのニューヨーク州で、F-11戦闘機が試験飛行中に降下しつつ機関砲を発射したところ、失速した砲弾が自機に当たり墜落した事故があったとのこと。

オランダ国防省の安全検査官ウィム・バルジェボス氏はオランダの国営放送局の取材に対し「今回の事故は大変深刻な事態だと認識しています。一体どうやって兵器が自機を破壊したのかは不明で、何が起きて、どうすれば同様の事故が防げるのか、今後も調査を続けていく予定です」とコメントしています。