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国会の裁判官訴追委員会は3月4日、東京高裁の岡口基一裁判官を呼び、ツイッターの発信などについて聞いた。岡口氏側は「法律関係の有益な情報発信が目的だった」などと説明したという。次回の訴追委の開催は未定。

岡口氏の代理人の野間啓弁護士などによると、聴取は約3時間にわたって行われた。出頭要請書に明示されていた犬の訴訟と女子高生殺害事件についてのツイッターの発信に加え、最初に口頭注意処分を受けるきっかけとなった縄で縛られた上半身裸の写真の投稿なども含めて、委員から幅広く聞かれたという。

岡口氏側は、「法律実務家を含む社会一般の人々に対し、最新の裁判例や学説の紹介を通じて、法律実務の考え方や問題点、社会問題となっている事象に対する法的アプローチのあり方などを伝えることにある」などとした意見書を提出。

意見書では、訴追請求者が罷免事由として不当言動を主張したことに対して、訴追委が訴追した事例がない点を指摘し、「犯罪に当たらないことが明らかな言動しかおこなっていない被調査人(岡口氏)について訴追決定を行うのは、過去の運用例との関係でも均衡を失する」とも主張した。

委員会では、岡口氏側は「現時点で、個別の事件や刑事事件などの発信は控えているし、今後もしない」などとも説明。インターネットを通じて法学研究者、弁護士、裁判所職員など105人から寄せられた「岡口氏のSNSの発信が有用であった」旨をまとめた書類などを提供したという。