【CLプレビュー】シティ圧倒的優位も開き直ったシャルケが番狂わせ起こせるか《シャルケvsマンチェスター・シティ》

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チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦1stレグ、シャルケvsマンチェスター・シティが日本時間20日29:00にヴェルティンス・アレーナでキックオフされる。グループDを2位通過したシャルケと、グループFを首位通過したシティによる10年ぶり通算4度目の対戦だ。

ポルト、ガラタサライ、ロコモティフ・モスクワと本命不在となったグループDを3勝2分け1敗の戦績で2位通過したシャルケは2014-15シーズン以来の決勝トーナメント進出を果たした。その一方、開幕5連敗と序盤戦から苦しむ国内リーグでは昇格・降格プレーオフ圏内の16位とは勝ち点8差離れているものの、期待外れの14位と低迷。直近ではボルシアMG、バイエルンの上位陣相手の完敗、ヘルタ・ベルリン、フライブルクという格下相手のドローによって4戦未勝利と厳しい状況が続く。

一方、リヨンとの開幕戦でホームで敗れる厳しいスタートを切りながらもその後は4勝1分けの無敗で乗り切り、順当に首位通過を果たしたシティ。国内では過密日程となった昨年12月末に大きく調子を落としたものの、2019年に入ると本来の力を取り戻し公式戦11勝1敗と好調を維持。とりわけ、プレミアリーグではリバプール、アーセナル、チェルシーと上位陣相手に力の差を見せ付け、暫定ながら首位に返り咲いている。今週末にチェルシーとのEFLカップ(カラバオ・カップ)決勝を控えている点は唯一の懸念材料だが、地力と現在のチーム状態を考えれば、敵地での初戦でほぼ突破を決める可能性もあるはずだ。

両チームの通算成績はシティの2勝1敗。直近の2008-09シーズンのUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)での対戦ではシティが2-0で勝利。なお、名古屋グランパスのFWジョーも途中出場していた。また、シティを率いるグアルディオラ監督はバイエルン時代にシャルケと6度対戦し4勝2分けと一度も負けたことがない。

◆シャルケ◆

【4-2-3-1】


シャルケ予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:フェールマン

DF:カリジウリ、サネ、ナスタシッチ、オチプカ

MF:ルディ、ベンタレブ

MF:ウート、マッキーニー、コノプリャンカ

FW:ブルクシュタラー

負傷者:DFスタンブリ、MFシェプフ、FWエンボロ、スクルツィブスキ

出場停止者:MFマスカレル

累積警告のマスカレルが出場停止となる。負傷者に関してはスタンブリ、シェプフ、エンボロ、スクルツィブスキの4選手の欠場が濃厚だ。

システムに関してはグループステージでメインシステムとした[3-5-2]の採用の可能性もあるが、ここ最近重用している[4-2-3-1]で臨む可能性が高い。スタメンに関してはベンタレブの相棒にセルダーではなくより守備的なルディを起用し、レギュラー不在の右ウイングに関してはウート、古巣対戦の18歳マトンド、アリの3選手から選ぶことになりそうだ。

◆マンチェスター・シティ◆

【4-3-3】


マンチェスター・シティ予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.
GK:エデルソン

DF:ウォーカー、オタメンディ、ラポルテ、ダニーロ

MF:デ・ブライネ、フェルナンジーニョ、シルバ

FW:スターリング、アグエロ、ザネ

負傷者:GKブラーボ、DFメンディ、ストーンズ、FWガブリエウ・ジェズス

出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはブラーボ、メンディの2選手に加えて、直近のニューポート戦で筋肉系のトラブルを負ったストーンズ、ガブリエウ・ジェズスの2選手が遠征メンバー外で欠場となる。

スタメンに関しては今週末にチェルシーとのEFLカップ決勝を控えていることもあり、幾つかのポジションでターンオーバーを行う可能性もありそうだ。

★注目選手

◆シャルケ:MFナビル・ベンタレブ
Getty Images
シャルケの注目プレーヤーは背番号10を背負うベンタレブだ。トッテナムの下部組織出身のアルジェリア代表は2016年に出場機会を求めてレンタル移籍したシャルケで確固たる地位を手にすると、今季はここまで公式戦28試合に出場し6ゴールを挙げる活躍をみせ、苦境のチームを主力として支える。とりわけ、恵まれた体躯を生かしたキープ力と長短織り交ぜたパスワークはチームの生命線となっている。

劣勢が予想されるシティ戦では課題とされるポジショニング、スペースケアを含め身体を張った守備面での貢献が求められる。加えて、直近のバイエルン戦では失点、得点の双方に絡んだボールキープという部分で諸刃の剣をうまく使いこなしたい。

◆マンチェスター・シティ:MFレロイ・ザネ
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マンチェスター・シティの注目プレーヤーは古巣初対戦のザネだ。シャルケの下部組織から2014年にトップチームデビューを飾ったザネは3年目の2015-16シーズンに大ブレイクを果たし、2016年夏にシティに旅立った。そして、今回の一戦では2年半ぶりにヴェルティンス・アレーナに凱旋を果たす。

今季ここまではスターリングやマフレズ、ベルナルド・シウバらとの熾烈なポジション争いに身を置く中で公式戦32試合に出場し、12ゴール14アシストの数字を残す。ただ、直近のアーセナル戦、チェルシー戦とビッグマッチではお呼びがかからず、確固たる地位を確立できていない。今週末にチェルシーとのカップ戦決勝を控える中、スタメンか途中出場か起用法は不明だが、古巣初対戦で成長した姿を見せつけると共にポジション奪取の足掛かりとしたい。