おひとり様が今ブームらしい。一人でも難なく行動でき、かつ他人ともうまく過ごせる、真の意味でのオトナのことを指し、加えて、精神的自立ができていることが大前提の条件(葉石かおり著『おひとりさま道』より)とある。

 毎日一人でご飯を食べて飲んで、仕事して、寝ている干物女のアタシ。今回はいったいどこまで一人でできるのか、体当たりで徹底取材してみました〜。 

 まずはカラオケにトライ。最初の関門は、入口付近。店員のかすかな好奇の目と「何名様ですか?」という声。「い、一名です」と小声で返す。誰にも気づかれないように部屋に入る。中島みゆきの「地上の星」を大熱唱。拍手は機械音ながら、なんか気持ちいいじゃない!

 続いては、少しハードルを高くして「外の屋台で一人でラーメンを食する」の巻。のれんを眺めながらしばし躊躇したものの、覚悟を決めた。これは勢いが肝心! おっちゃんに「味噌らーめん、一丁」と伝えると、「はいこちらへ」と案内してくれた。「ここ、女性一人ってありえませんかね?」と尋ねると「慣れちゃえば平気さ。おいしいかい?」と言われ、私はうなずきながら愛情が詰まったラーメンを完食! 女性が屋台でラーメンを食べている姿はミーだけ。夢中になれば、羞恥心も消えます・・・。

 3つ目にチャレンジしたのは、「ハーフおひとりさま」のアレンジ。「ハーフおひとりさま」とは、通常は旅行の際に用いられる方法。旅行代金を安く抑える等の理由から「行き」「帰り」のみ友人などと一緒に出かけ、旅行中は一人で自分が好きなところにでかけるスタイルです。それを勝手にアレンジして、「ハーフおひとり立ち呑み」を体験。行き帰りは友人とでかけ、店内では別行動に。「シャンパンと、生ハムください」と注文。恥ずかしいので、注文後はひたすらガツガツ飲み食いするのみ。場がもたなくて、なかなかスマートなふるまいはできず・・・。

 最後は愛媛県の道後温泉へ。平日に女性一人の旅行客というのは、なかなかいない。案内係の心配そうな表情が、いまだに目に焼きついている。「おやおや、失恋旅行かい?」。口にこそ出しませんがひしひしと伝わってまいります。あ〜どうせあたしゃ一人ですよ! ってこんな態度はいけません。

 なぜなら、おひとりさまは、「積極的なおひとり」。「二人でも来られますが、今日はあえて、一人でいるんです」、この空気感(え? 出てない?)。はい、正直に言います。とっても寂しいです! だれか助けて!!

 結論としては、おひとりさまはどこへ行くにも可能。しかし、周りの環境に左右されるので、場所は選ぶこと。周りにカップルが多ければ多いほどつらさは増し、おんな一人の淋しさ感も大幅アップ。おひとりさまマスターへの道は、まだまだ遠い・・・。(押木真弓/verb)

livedoor BOOKS - 『実践!おひとりさま道』