マンションは新築かどうかではなく「時間」にこだわるべき
あなたが少し考え方を改めるだけで、ちょっと習慣を変えてみるだけで、貯蓄のスピードが劇的に早くなるかもしれない。200人以上の億万長者に会い、ベストセラー『お金持ちの教科書』などを著書に持つ経済評論家の加谷珪一さんは、“お金持ち”には共通する習慣があると話す。
「いままで数多くの“お金持ち”を見てきましたが、彼・彼女らには共通点が多くありました。そのひとつが、買い物や時間を使うといった日常の習慣を『消費』なのか、『投資』なのかで分類していること。『〜が欲しい』という欲求で買うのが『消費』、収入につなげるためのツールとして買うのが『投資』です。あなたもその分類を念頭においたうえで、『投資』に比重を置いてみてください。これだけであなたの買い物の仕方や時間の使い方が劇的に変わるはずです」(加谷さん・以下同)
加谷さんが今まで見てきた実例をもとに、そんな“お金持ちの習慣”を解説してくれた。
【住宅の習慣】
例:夫と2人の幼児と暮らす30代主婦のAさんは、マンションの購入を検討しているが、ほぼ同額の2軒で迷っている。1軒は夫の職場まで電車で15分で、駅も近く利便性は高いが、中古のうえに間取りが狭い。もう1軒は新築で広いが、駅まで遠く、バスで30分かかるうえ、夫の職場まではさらに電車で1時間半の距離だ。でも、子ども部屋も広くしたいし、売却のことを考えると新築に心が傾いている。
「人口減少が進む日本では、今後ますます都市部に人口が集まっていきます。多少、間取りは狭くても、街中に住むべきです」
今後、郊外や地方のマンションや一軒家は値崩れし、都心部はますます上がっていくという。
「都心の物件でも中古であれば、一時的に値崩れしているものもあります。中古アレルギーの人は、発想を切り替えるのも大事。そもそも、中古が嫌だというのは、気分の問題にすぎないのではないでしょうか? 物件に限らず、家具や洋服なども、新品にこだわらなければ、支出は抑えられるんです」
さらに子どもを理由に、広い間取りにこだわるのは無駄だという。
「子育ては20年ほどで終わります。夫婦2人だけで暮らす時間のほうがずっと長いのです」
子ども部屋をあえて作らず、子ども部屋が必要な期間だけは、持ち家を貸して、賃貸で別に家を借りるという選択肢もある。
「長い通勤時間も、本来営業やビジネスに注ぎ込めるはずの“投資”の時間を消費しているにすぎません。時間はお金をかけて買うべきものなのです」
広さや新築にこだわるよりも、都心部に近いかどうかで選んだほうが値崩れはしない。“時は金なり”を忘れずに。