池田市PR動画の怪獣映画風ポスター

大阪府池田市は府北西部に位置する人口約10万人の都市だ。阪急電鉄宝塚本線沿線で交通の便が良く、京阪神間に通勤する会社員家族のベッドタウンとして人気が高い。また日清食品やダイハツなど、有名企業の出身地としても知られている。

その池田市内の観光地を次々とぶっ壊す、破天荒な怪獣映画風PR動画が池田市制80周年を記念して制作され、話題となっている。いったいどんな動画なのか?

ひよこちゃん vs ウォンバット 「池田市が危ない!」


巨大化したひよこちゃん

日清食品のインスタントラーメン「チキンラーメン」のキャラクターで、2016年から池田市の観光大使を務める「ひよこちゃん」が、なぜか突如巨大化。おもむろに、池田の名所を次々に破壊し始める。上方落語の聖地「落語みゅーじあむ」、伝説の芝居小屋「池田呉服座」など、池田市の有名観光地が......。


ウォンバットも巨大化

「このままでは池田市が危ない!」。すると、オーストラリアの魔獣と呼ばれ、日本に7匹しかいないのに、5匹が池田市の五月山動物園で飼育されている「ウォンバット」が、突然巨大化。ウォンバットは池田市を守るため「ひよこちゃん」に戦いを挑む。激闘の中で、安藤百福の功績を讃えた「カップヌードルミュージアム」は......。


ウルトラ市長に変身!?

さらには、自らの巨大化を許可した池田市長までもが、「ウルトラ市長」に変身し、参戦した。次のようにコメントしている。

怪獣映画風ということで、観光地を壊しながらストーリーが展開していきます。
また、ダイハツのWAKEでおなじみのあんちゃんも友情出演というかたちで動画内に出演しています。
「そこまでやっていいんかい」とお叱りや嘲笑を受けそうな、そんなあっと驚く仕上げになっていますかどうか・・・?

池田市PR動画特設サイトより

「池田市制施行80周年記念作品」と銘打った怪獣映画風のポスターをデザインした特設サイトも公開されている。昭和の香りが漂うレトロな書体、図案、文案にツボを刺激される人は多いかもしれない。全編、パロディに満ち溢れた動画は、YouTubeでも公開されており、閲覧できる。

池田の大決闘「ひよこちゃんvsウォンバット」前編

この動画は多くのネットニュースで取り上げられるなど話題沸騰中だが、ツイッター上には、地元民とみられるユーザーからこんな反応が。

一方、こんなフクザツな反応も......。

「池田市長、議会で突き上げられないことを祈ります」という心配の声もちらほら見える。そこでJタウンネットは11月7日、池田市の広報・報道担当に話を聞いてみた。

「この動画制作の目的は、来年池田市制80周年を迎えるにあたって、池田市への興味を持ってもらいたいということです。市内にあるカップヌードルミュージアムには年間約70万人もの来館者にいらしていただいているのですが、市内の観光・回遊にまでつながっていないのが実状です。他にも観光スポットはいろいろあるのですが......」

「もう一つの目的は、池田市の観光大使・ひよこちゃんと、市内の五月山動物園のマスコット的存在のウォンバットをコラボさせ、同時に1つの画面に登場させたかったということです」と広報担当。ひよこちゃんとウォンバットという2つのキャラで、池田市のPRをしていこうというわけだ。

「おかげさまで動画は大反響をいただいております。これをきっかけに来年度の市制80周年を大いに盛り上げていきたいと、知恵を絞っているところです」。議会で突き上げられる心配どころか、もっともっと攻めていく決意のようだ。どうやら、動画だけではなく池田市から目が離せなくなりそうだ。