アップルが健康センサー用新型チップを開発中?Apple Watchが進化するうわさ

アップルがApple Watchに搭載されているような、生体センサーからのデータ処理専用チップを開発している可能性が報じられています。

この報告は、アップルが出した最近の求人情報を追いかけた結果から予測されたもの。将来のApple Watchに進化した健康モニタリング機能が実装されれば、アップルの健康ビジネスが大きな変化を迎えるかもしれません。米ニュースメディアのCNBCは、アップルのヘルスセンシング用ハードウェアチームの求人情報を観察したとのこと。まず7月10日付けとして、同社は「将来のアップル製品向けに、新たなセンサーおよびセンサーシステム用ASICの開発者を募集します」と告知しています。

ASICとは特定用途向け集積回路のことで、ある目的のために複数機能の回路を1つにまとめたもの。カスタムチップなどと呼ばれることもあります。

続く8月1日の求人では「健康やウェルネス、フィットネスセンサー開発に貢献できる」エンジニアを募集、さらに遡って6月の求人では心拍センサーによく使われる「光学センシングシステム」の開発技術者も募集していました。

アップルはApple Watch series 3にも独自のW2チップなどを用いていますが、当然他社サプライヤから供給を受けている部品もあります。たとえば最新のApple Watchでのセンサー用ASICはBroadcom製です。

アップル製品の強みは、ハードウェアとソフトウェアともに社内で設計している垂直統合モデルです。それら全てを一体化することで最大限のパフォーマンスを引き出しやすいのは、ほぼ1年前に登場したiPhone Xが最新のGalaxy Note9に一部ベンチマークで優った事実にも裏付けられています。

アップルがセンサー用ASICも自社開発にすることで、バッテリ寿命と性能アップができ、ひいてはサードパーティの健康製品開発者から知的財産を保護する手段になると考えられます。

健康センサーの進化としては、CNBCはアップルが光センサーを用いた非侵襲性(生体を傷つけない方式)の血糖値モニタリングに取り組んでいることを指摘しています。

アップル社内に血糖値測定ソリューションの研究チームが作られたとの噂は2017年4月に流れ、Apple Watchに外付けするスマートバンドの予想も報道。アップル製品関連の予測で有名なアナリストMing-Chi Kuo氏も、次期Apple Watchが健康管理機能を強化するとレポートしていました。

この件に関して、アップルはコメントしていません。もっともCNBCは、一連の求人が将来の製品ではなく、現時点での生体センサー、たとえばApple Watch(新型ではなく現行製品)による心房細動を感知する研究向けの可能性もあると述べています。

いずれにしても、アップルが健康産業に大きな関心を持っているのは間違いなさそうです。Apple Watchで救われる命は、ますます増えていくのかもしれません。