A代表&U-21代表兼任の森保監督【写真:Getty Images】

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アジア大会はA代表との兼任監督として臨む初の公式戦 今大会の目標は「頂点に立つ」

 U-21日本代表の森保一監督は3日、8月14日に初戦を迎えるアジア競技大会(ジャカルタ開催)のメンバー20人を発表した。

 A代表との兼任監督として臨む初の公式戦は、2年後の東京五輪はもちろん、4年後のカタール・ワールドカップ(W杯)に続いており、“森保ジャパン”の新たなスタートと言っていい。オーバーエイジ(OA)枠に対する考え方や今後に向けたビジョンについて見解を示した。

 アジア大会のメンバー20人には、J1で主力として活躍するMF三好康児(北海道コンサドーレ札幌)やDF板倉滉(ベガルタ仙台)ら常連組に加えて、J2で首位を走る松本山雅FCのFW前田大然や愛媛FCのMF神谷優太を選出。またFC東京のDF岡崎慎とセレッソ大阪のDF舩木翔が初招集となり、リーグ戦開催期間中のため1クラブ1名までという“人数制限”が付いていたこともあって、多彩な顔ぶれとなった。

 今大会の目標として、「1試合でも多く戦い、さらに頂点に立つということを考えてやっていきたい。常々考えているのはベスト4以上に入りたいということです」と強調した森保監督の考えは明白だ。

「世界の大会に参加していくということを考えると、ベスト4以上が世界につながっていく。そういう捉え方を大会ごとに考えている。常に日本代表チームがいろいろなカテゴリーで大会に参加すること、出て行くことを考えていきたいと思っています」

 チーム強化に親善試合やトレーニングはもちろん必要だが、何よりも選手の成長を促せるのは緊迫した舞台で本気の相手と戦うことにある。今回のアジア大会を含め、優勝を目指して目の色を変えて向かってくる相手と戦えるほど価値のあることはない。チームとしては土台作りの最中ではあるが、若い世代の成長のために結果にこだわって上を目指したいところだ。

「A代表と五輪代表は、同じコンセプトのなかで共有しながらやっていきたい」

 また、会見では東京五輪におけるOA枠に対して言及する場面もあった。A代表を兼任する森保監督にとって“世代間の融合”は一つの課題であり、東京五輪世代の成長は直接A代表の強化につながる。そのことを踏まえたうえで、若き侍たちの成長を促すために早い段階でOAを起用したい意向を示した。

「呼べるのであれば、次の大会から呼びたいと思っている。なぜかと言えば、選手は監督、コーチ、指導者から影響を受けて成長することももちろんあるが、経験のあるベテランの選手から言葉で伝えてもらい、一緒にプレーして感じ、そして背中を見せてもらうことで刺激を受けて成長につながると思っている」

 OA枠の早期起用は、A代表とU-21代表の双方に相乗効果があると考えていい。経験ある選手とプレーすることで若い選手は成長を遂げることができるし、そこで見出された有望な選手はスムーズにA代表に引き上げることができる。森保監督も「東京五輪世代の選手、若い・経験の浅い選手をA代表に引き上げていくということ。その点についてはやはりチャンスを与えられるべき選手には、A代表の舞台も経験してもらいたいと思っている」と語っており、日本代表の底上げを図る意味でもOAは一つのポイントになるだろう。

「A代表と五輪代表は、同じコンセプトのなかで共有しながらやっていきたい」

 兼任監督のメリットを生かしながらの代表強化――。森保監督の明確なビジョンの下、2年後の東京五輪、そしてその先に続く4年後のカタールW杯に向けた日本代表の歩みが始まる。

【一覧】アジア大会のU-21日本代表メンバー20名

GK
小島亨介(早稲田大)
オビ・パウエルオビンナ(流通経済大)

DF
板倉 滉(ベガルタ仙台)
立田悠悟(清水エスパルス)
原 輝綺(アルビレックス新潟)
杉岡大暉(湘南ベルマーレ)
岡崎 慎(FC東京)

MF
三好康児(北海道コンサドーレ札幌)
長沼洋一(FC岐阜)
神谷優太(愛媛FC)
三笘 薫(筑波大)
初瀬 亮(ガンバ大阪)
遠藤渓太(横浜F・マリノス)
舩木 翔(C大阪)
岩崎悠人(京都サンガF.C.)
松本泰志(サンフレッチェ広島)
渡辺皓太(東京ヴェルディ)

FW
前田大然(松本山雅FC)
旗手怜央(順天堂大)
上田綺世(法政大)(林 遼平 / Ryohei Hayashi)