芸備線沿線を守ろう!盛り上げよう!観光協会やボランティアの活動に注目
[みみよりライブ5up!-広島ホームテレビ] 2018年5月30日放送の広島HOMEテレビ「みみよりライブ5up!」で、廃線を防ごうと活動する地元の方々が紹介されました。
芸備線(Mitsuki-2368さん撮影、Wikimedia Commonsより)
廃線を防ぐためにPR
今年3月末に三江線が廃線となりましたが、その廃線に危機感を持っているのが芸備線(げいびせん)です。
特に三次駅から先は、かなり深刻だということです。三次市と島根県大津市を結ぶ、JR三江線の廃線から2か月。駅や線路には柵が設置され、立ち入り禁止の看板が掲げられています。
廃線後の駅や線路を活用しようという話は出ていますが、沿線自治体は鉄道有地の取得に対して結論は出せていません。近隣のローカル線は危機感を募らせています。
芸備線の備後西城駅で、西城町観光協会の今村舞由美さんは、有志と共に芸備線を守ろうと活動を続けています。
開業から103年。山陰と山陽を結ぶ連絡線として、利用されてきました。芸備線は広島駅から三次駅を経由し、岡山県の備中神代駅までのおよそ159キロ。広島駅から三次駅までは人口も多く、利用者も多いのですが、その先は過疎化が進み利用者も減少しています。
今村さんは、春、花見に訪れる観光客にガイドをしようと駅で待っていましたが、日曜日にも関わらず、下りたのは地元の利用者のみ。今村さんは、車で訪れた観光客に、チラシを配り芸備線をPRしました。
秘境駅「備後落合駅」のボランティアガイド
一方で、庄原市の山間にある、備後落合駅。島根県松江市へとつながる、木次線の分岐点でもあります。かつては、100人以上の職員が働いていたこの駅も、今は無人駅です。
「秘境の駅」として鉄道ファンに人気の場所で、制帽をかぶり、お客様をガイドする一人の男性がいます。
永橋則夫さんは、機関士として、国鉄、そしてJRに勤めました。芸備線の存続に危機感を持ち、駅を訪れる人をもてなそうと、去年の4月からボランティアでガイドを始めました。この一年で案内した人数は、1600人以上。
永橋さんは、ガイドをするほか、敷地の草刈りや駅の掃除もおこなっています。「勇気もらえますよね。『頑張ってください』という言葉が、何よりの励みですよ」といわれていました。
乗客がいなければ存続が難しい、ローカル線。地元住民の取り組みによってリピーターも増え、その活動は実を結びつつあります。
興味を持って利用してくれる人が、少しずつでも増えていって欲しいですね。(ライター・石田こよみ)