なんとなく冬の食材と思われがちな「牡蠣」。しかし、牡蠣の生産者は口をそろえて「春の牡蠣が美味しい!」と語る。その理由は、夏に控えている産卵。産卵前の今の季節が最も“うま味成分”が豊富なのだ!

ぷりっぷりに太った「春カキ」は、生はもちろん、身が大ぶりなので焼き牡蠣にしても縮まず食べ応え抜群。今しか食べられない牡蠣を思う存分堪能しよう。



「生牡蠣食べ比べ」(産地、価格は仕入れによって異なる)
旬のうちに国産の生牡蠣を食べ比べ!駅から徒歩1分のオイスタバー『ミトラタカセ』

独自のルートで手にいれた国産の生牡蠣を常に数種類用意し、食べ比べなど牡蠣ラバーにはたまらないメニューを豊富に取りそろえる『ミトラタカセ』。国産の牡蠣がここまで食べれるなんて……!

まずはこのビジュアルに目が釘付けになるだろう。大きな樽に乗せられた生牡蠣は全部で12ピース。このビジュアルの美しさに、樽を抱えてインスタグラム用に撮影する人も多く、確かに“いいね”が貰えそうなインパクト。

意外にもここまでの国産の生牡蠣を扱っている店は都内でも少なく、オイスターバーなどで見かける数多くの牡蠣は海外産が混ざっていたりする。

和食を扱う本店の『高瀬』と同じ「尾坪水産」から、毎日新鮮な牡蠣を仕入れており、カジュアルに牡蠣を愉しんでほしいという気持ちからこの価格設定で行っている。どれも身は大きく、口に含めばクリーミーな牡蠣の旨味が口いっぱいに広がっていく。



「北海道・仙鳳趾(せんぽうし)」一口では入りきらないほどの大きさで、かなりまろやかな味わい ※メニューは季節によって変動あり

仙鳳趾(せんぽうし)は北海道釧路町の東側で、「厚岸湾」の端に位置する。潮の流れが少しきつく、そこで育った牡蠣は身の締まったプリプリとしているものが多い。

殻に対して身が大粒なため、一口では入りきらないほどの大きさ。強い甘味と濃厚でコクのある味わいが特徴で、かなりまろやかである。

ちなみに北海道の東側は涼しい気候のため、年間を通じて水温が低く、一年中牡蠣を食べることができるという。仕入れ状況にも異なるが、比較的『ミトラタカセ』でもよく扱われる牡蠣のひとつだ。



「北海道・まるえもん」味わいはさっぱりしているが、そのあとに続く深いコクの旨味が他の牡蠣とは少し違う

味わいはさっぱりしているが、そのあとに続く深いコクの旨味が他の牡蠣とは少し違うのが特徴。

意外かも知れないが、赤ワインと合わせると牡蠣のコクがさらに増す。さらにこちらは3年もの間寝かせられ、ゆっくり旨味を増やした「3年貝」。牡蠣特有の肝のエグみが少なく、苦手な人にも食べやすい。



「北海道・昆布森」北海道一と呼ばれ、味は岩牡蠣にも負けないほどのクリーミー

この名に聞き覚えのある人は多いのではないだろうか。北海道一と呼ばれ、味は岩牡蠣にも負けないほどのクリーミー。その名の通り昆布がたくさん生えている入江に生息し、小魚やプランクトンの栄養をたっぷり吸った上質な牡蠣。

いま紹介したのは北海道産の牡蠣ではあるが、この他にも長崎県産や宮城県産など、その時期のいいものを毎回仕入れている。

今回は6種類で用意してもらったが、人数に合わせて種類を減らすことも可能。4人で分け合うのであれば、3種類を4ピースずつ用意してもらうこともできるのだ。(注文の際に相談を!)



「牡蠣の酒肴 3種盛り(オイル・たまり・塩辛)」

前菜としてオススメしたいのがこちらの「牡蠣の酒肴 3種盛り(オイル・たまり・塩辛)」。

左のオイル漬けはマリネのようにビネガーは使っておらず、オイルのみのシンプルな味付け。オイルに漬けられることで、牡蠣の旨味がよりいっそう引き立つ。

真ん中はたまり醤油に漬け込んだもので、実は生牡蠣をボイルせずそのまま使用している。そのため、食感は生牡蠣特有の“つるん”としたもので、薄口醤油とのバランスが良い。

右はなんと牡蠣の塩辛。作り方などは企業秘密とのことだが、独特の磯臭さはあまりなく、食べやすいのが特徴的。

これらの肴にはぜひとも店主オススメの日本酒を合わせてほしい。ここ数年で注目されている新政酒造の「エクリュ」は、シャンパングラスでいただくのが『ミトラタカセ』流。牡蠣とのマリアージュにぴったりなのである。



「牡蠣フライ」、「シャトー ラ ブランヌ フランス ボルドー メドック」

さらに牡蠣料理といえば忘れてはいけないのが「牡蠣フライ」。

こちらの牡蠣フライは薄い衣に、大きい牡蠣が丸々ひとつ使われ、カラッと揚げられている。中からはジューシーな牡蠣が溢れ、熱々のうちにワインを流し込めば牡蠣の旨味が口の中でより凝縮される。

タルタルソースを付ければ、牡蠣のクリーミーさがより増し、ワインもグビグビと進んでしまう。

牡蠣には白ワインというイメージが強いが、実は赤ワインも相性がいい。なかでも牡蠣フライは白でなく、赤で合わせて楽しもう!



サクッと揚げられた牡蠣フライにはタルタルソースをたっぷり絡めて

牡蠣に合わせるお酒はこれ!という概念は少し頭から切り離し、そのとき飲みたいものを頼めばいい。きちんと牡蠣に合うお酒が用意されているので、もしかしたら新たな発見もあるかもしれない。

いまの時期が一番美味しい牡蠣を食べ比べて、旬の味わいを堪能してみてはいかがだろうか?



ボードにはその日のオススメが書かれている。迷ったときはこちらから選ぶのも手



カウンター席もあり、おひとりさまでも使いやすい。駅からかなり近いが、店内は落ち着いた雰囲気


目黒にも、お得でいい店があるんです!



大人がラフに楽しめる、NYスタイルのオイスターバー
牡蠣とステーキの名物2大看板『MEGURO OYSTER BAR』

目黒駅から徒歩1分。権之助坂にあるアメリカンな雰囲気のお店へ足を踏み入れると、牡蠣を剥くスタッフ、肉を焼くシェフ、豊富な食材が並ぶアイスベッドなど、牡蠣と肉の魅惑の世界に誘う演出が満載!



牡蠣と肉なら、ワインを飲まずにはいられない!

ドリンクメニューの大注目は、「オープンワインバー」。ワインを好きなだけ楽しんでほしいというソムリエの思いから、常時50種もあるワインの中から日替わりで9種を、2時間飲み放題2,000円というハイコスパで提供!

一番おいしい状態で管理された窒素ワインサーバーから、好きなワインを自由に注ぐシステムが新鮮だ。



「オイスタープラッター」

これぞオイスターバーの醍醐味と言えば、「オイスタープラッター」。豪快な24ピースの盛り合せは、テーブルに運ばれた瞬間に歓喜の声があがること間違いなし!

北海道や宮城、広島など日本各地の旬の真牡蠣や岩牡蠣をはじめ、アメリカの「クマモト」やニュージーランドの「カイパラオイスター」など、世界各国から厳選した牡蠣を日替わりで常時10種類以上取り揃えている。産地ごとに異なる味わいを食べ比べてみて。



オイスターバーだからと侮ることなかれ。熟練のシェフが手掛ける豊富な肉料理も、ぜひ味わっていただきたい。

サーロイン、ランプキャップ(イチボ)、アウトサイド(ハラミ)、フラップミート(カイノミ)の4種のグリル料理は、肉の旨さを最大限に引き出すことにとことんこだわり、肉好きも大満足!



「グリルドオイスター」1P 290円〜

焼くことで引き出された「グリルドオイスター」の香りは、生とはまた違う魅力。ニューヨークスタイルやフレンチスタイル、和風などといった個性的な味付けで、仲間同士での食べ比べも盛り上がる!



「NYフライドオイスター」

ボリューミーな牡蠣にケイジャンスパイスで下味を付け、クラッカーを衣にしてカラッと揚げた、新感覚の牡蠣フライや、オイスターバーならではの牡蠣を使ったペペロンチーノは、カラスミの塩味と牡蠣の出汁、そしてベーコンの旨味が絶品だ。



「牡蠣とカラスミのペペロン」

気の置けない仲間とワインを飲みながら、テーブルいっぱいに埋め尽くした牡蠣とお肉を思う存分頬張るのがこのお店のスタイルだ。

大人が肩肘張らずに上質な食事やお酒を楽しめる、本場NYさながらの雰囲気を体験しよう。


最後は、教えたくないほどお得な牡蠣店!



客の半数は女性客だというから驚き
六本木なのに生牡蠣が1ピース150円!超コスパオイスターバー『5坪』

六本木の裏路地、雑居ビルの4階にひっそりと佇む隠れ家的なオイスターバー『5坪』。

カウンターとテーブルあわせて15席程の小さな空間は、店長の知り合いが開いていたバーを射抜きで借りたという。驚くのは、女性客の多さ!

店の半数以上が女性客で、この日もカウンターのほとんどが女性で埋まっているではないか。週末の予約は争奪戦だという!



大きな殻に詰まったぷりっぷりの身!この日の牡蠣は厚岸産

札幌に3店舗構えるこちらの店が六本木に店を構えたのは2013年11月。

牡蠣を含め海鮮は全て北海道から直送。厚岸、猿払、知内、八雲にいる漁師から季節によって取り寄せ、市場を通さないことで驚きの安さを実現したという。



厚岸産の生牡蠣・焼き牡蠣・蒸し牡蠣オール150円!

その価格は、生牡蠣・蒸し牡蠣・焼き牡蠣がどれでも1個150円という破格!過去に出会った破格の牡蠣の中でも最安値だ。食べ放題のように時間制限もないから、永遠に食べ続けられてしまう…!

安さの秘密はもうひとつ。広告費を一切かけずに「牡蠣1個150円」という目玉を広告代わりにすることで、口コミで広がってここまで人気になったのだ。



カウンターの向こうで牡蠣を焼きながら、サービスまでひとりでこなす店長

調理からサービスまで一人でこなしながらも、平均1日200個、多い日は300個以上仕入れる牡蠣を捌き続ける店長。

「生10個!焼き10個!」と、多くの客が牡蠣を10個単位でオーダーしていくのだ。 次々と入るオーダーに、カウンターの向こうから、“生10、焼き10ね!”と元気な返事が返ってくるぞ。



この大きさに驚き!甘くてコクのある厚岸産の牡蠣はまさに絶品だ

この日の牡蠣は全て北海道の厚岸産。まずはシンプルに「生牡蠣」を堪能してほしい。

大きな殻の中にはみ出しそうなくらいいっぱいに詰まった身は、一口では入りきらないほどの大きさだ。口に入れた瞬間に強い甘みを感じ、その後すぐに濃厚クリーミーなまろやかさがやってくる。



目の前のカウンターで焼かれる「焼き牡蠣」の香り、たまらない!

火を通すことでさらに甘さが増した、「焼き牡蠣」や「蒸し牡蠣」も忘れずに。 生でも十分に濃い味が、炭火で焼くと牡蠣本来の香りが際立ち、身がふっくらとして旨みが増す。



ぎゅっと旨みが凝縮された、ぷりっぷりの蒸し牡蠣

シンプルに牡蠣の塩見と旨みを味わえる「蒸し牡蠣」。弾力のあるぷりっぷりの食感と、蒸すことで殻の上にたっぷり滲み出た牡蠣のスープを余すことなく堪能したい。

余計な臭みや雑味が一切なく、完全な牡蠣エキスだけを味わうことができるぞ。この大きさ、クオリティで1個150円とは驚きのコスパだ…!



知内産の「青ツブ貝焼き」も1個150円で味わえる

牡蠣だけじゃない、サイドメニューにも注目。仕入れによっては牡蠣以外の貝類も食べることができる。

この日は猿払産のホタテ、知内産の青ツブ貝、さらにムール貝やハマグリの酒蒸しなどがラインナップ。



「クリームチーズのわさび漬け」

「クリームチーズのわさび漬け」や「じゃがバターの塩辛のせ」、「タコときのこのマリネ」など、牡蠣の合間につまみたい酒の肴も充実している。



「じゃがバターの塩辛のせ」

牡蠣が売り切れた時点で営業終了してしまうからご注意を。予約時に個数を伝えておくと多く仕入れてくれるから安心だ。



「タコときのこのマリネ」

お酒を飲みながらお腹いっぱい牡蠣を堪能しても、ひとり3,000円〜4,000円程度というリーズナブルな価格設定が口コミで広がり、客が客を呼んでいる。

真の牡蠣ラバーなら行かない訳にはいかない。旨い牡蠣をお腹いっぱい食べたい!という時は是非足を運んでほしい。