助産師、解雇され納得いかず(画像は『SWNS 2018年3月23日付「Midwife sacked for poor sickness record claims she contracted kidney infection at work - because birthing centre didn’t have staff Toilets」』のスクリーンショット)

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助産師としてキャリア16年の女性が、ある病院で1年に14日病欠したことが原因で「休みが多すぎる」と産婦人科病棟から解雇を言い渡された。激務の上に出産病棟にはスタッフ用のトイレもなく感染症になってしまった助産師は、スタッフ不足を度々組合に訴えていたという。英メディア『SWNS』『real fix』などが伝えている。

英ウェスト・ヨークシャーのウェイクフィールドに住むジェーン・グリーヴスさん(46歳)は3月15日に、ピンダーフィールズ病院での仕事を解雇された。

1997年に看護師の資格を取得し2002年から助産師として働いてきたジェーンさんは、同病院が2016年9月に開設した出産病棟で職務にあたっていた。しかし病棟にはスタッフ用の休憩室やトイレもなく、スタッフはトイレに行きたければ歩いて2分の場所にある別の病棟まで行かなければならない。ジェーンさんが働き出した頃は、出産病棟には3人の助産師と2人のヘルスケアスタッフがいた。ところが現在は助産師2人と1人のヘルスケアがいるのみで、1人あたりの仕事量が増え、トイレに行く時間もままならないという。ジェーンさんはその激務について、このように明かしている。

「スタッフは無給ですが1時間だけ休憩時間を与えられます。ですが仕事が詰まっているので、1時間も休憩できることはごく稀です。スタッフ用のトイレもないし、12時間の勤務中はトイレに行く暇がありません。妊婦さんがいきんでいる手いっぱいの時に、『ちょっとトイレ』なんて言えるわけありませんから。」

そのためジェーンさんは、トイレを我慢する習慣がついてしまった。しかしこれが病に倒れる原因となってしまう。昨年12月30日に夜勤を終えたジェーンさんは翌日に倒れ、緊急外来へ搬送された。泌尿器科の検査を受けたところ尿路感染症にかかっていることがわかり、今年1月2日から7日間、勤務を休んだ。ジェーンさんが2017年1月から2018年1月までで病欠したのは、5回にわたり合計7日間偏頭痛で欠勤したことを含めて14日である。しかしながら病棟の看護師長は、「病欠が多すぎる」としてジェーンさんを解雇した。

「仕事は私の人生そのものなんです。それを取り上げるなんて、あまりにもひどすぎます。私は世界で最高の仕事だと思って、これまで夢中で勤務してきました。なのに病欠が多すぎるという理由で解雇されて、今は眠れないし何も考えられません。」

ジェーンさんが所属する労働組合「trust and UNISON(トラスト・アンド・ユニゾン)」のエイドリアン・オマリーさんは、「35年間ピンダーフィールズ病院の顧問をしていますが、ジェーンさんのケースは最も不当な解雇といってよいでしょう。彼女はこれまでに49回も『12時間連続勤務で、休憩もままならない。スタッフ不足で仕事の負担が多すぎる』と訴えてきました。彼女の病欠記録は、組合の平均病欠記録日数よりも少ないのです。にもかかわらず、解雇になるなんて不公平です。しかも病院側は、ジェーンさんを解雇しておきながら助産師募集の広告を出しているのです。ジェーンさんの同僚らもこの対応を不当として、看護師長に請願書を出しているようです」と話し、現在ジェーンさんの職場復帰を求める署名運動が行われていることを明らかにした。

Mid Yorkshire Hospitals NHS Trust(中央ヨークシャー病院NHS信託)のアシスタントディレクターであるイヴォンヌ・ロウランさんは、「我々は常に優秀な患者へのケアを提供すると同様、スタッフへの配慮やサポートも行っています。ただ、個々のスタッフの件に関しては人事の問題上コメントすることはできません」と述べている。

画像は『SWNS 2018年3月23日付「Midwife sacked for poor sickness record claims she contracted kidney infection at work - because birthing centre didn’t have staff Toilets」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)