XFN-ASIAによると、中国国営新華社通信は19日、中国共産党中央委員会第5回全体会議（五中全会）で11日採択された「第11次五カ年規格（計画）」（2006−2010年）についての主要提案の一部を報じた。これについてエコノミストらは、次期5カ年計画は、目標達成への具体策が不透明なため、現在の方針と大きな変化はないとの見方を示していた。

　　英スタンダード・チャータード銀行のエコノミスト、スティーブン・グリーン氏によると、計画では2010年までに国民1人当たりGDP（国民総生産）を2000年の水準の倍に引き上げるとしているが、それに欠かせない社会保障制度や収入配分、公共医療システム整備への投資などの詳細な計画が不透明としている。また、上海などの先進都市が、税収入を農村地帯に持っていかれるのを嫌う点や、地方農村部官僚が既得権益保護に走ると見られる点にも注意が必要だとした。

　　INGのエコノミスト、ティム・コンドン氏は、高いレベルでの経済成長の維持のために、政策的に都市部を優先するのは避けられず、地方農村部との格差は解消されないとの見方を示した。また同氏は、人民元改革について「完全変動相場制への完全移行を段階的に進める」との、従来の表現の繰り返しにとどまっていることなどを挙げ、「記事に書かれている範囲内では、経済への影響を避けるために、あたりさわりのないことしか明らかにされていない」と語った。　【了】