あまりにも残念なチーズフェスティバルに入場者ら立腹(画像は『Sky.com 2018年3月5日付「Should have done feta: Brighton cheese festival runs out of... cheese」』のスクリーンショット)

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なかなか高い入場料を取るとはいえ、どこも大賑わいとなる“食”のフェスティバル。元を取ってやろうなどとあれこれ食べ歩いて、気づけばかなりの散財に。だがそれがまた楽しいという食いしん坊な人々のおかげで食のイベントは繁盛している。花見も加わり、日本もこれからそんな時期を迎えようとしている。しかしイギリスのある町で開催されたチーズフェスティバルだけは失敗に終わったもよう。訪れた人々の怒りは冷めやらない様子だ。

出店業者の数、品揃えや在庫の量に不安があるのに無理に開催されてしまった感があるのは、英イースト・サセックス州ブライトンで今月3日に行われた『ビッグ・チーズ・フェスティバル(The Big Cheese Festival)』。本来なら大盛況のうちに幕を閉じるはずの乳製品の祭典が、「入場料を返せ!」と客を激怒させる最悪な結果に終わったことを『Sky.com』が報じている。

同フェスティバルの入場料は22英ポンド(日本円にして約3,200円)とそれなりに取るものだが、イギリス人は大の乳製品好き。当日はチーズにうるさい人々が会場に大勢詰めかけた。ところが、“素晴らしい生産者たちが驚くほど美味しいチーズを出品します”と謳われていた肝心のチーズが見当たらない。店舗のスタッフに声をかければ「品切れです」「今年は品薄で」「在庫ももうありません」といった返事ばかりが戻ってくる。当日は悪天候でこのフェスティバルに出店する業者が予想より少なくなったことが原因であった。

ほどなくしてSNSは、このフェスティバルに対する不満で盛り上がった。ジュリー・フェレットさんは入場者が手首に巻くバンドを紹介し、「このリストバンド売ります。ほぼ未使用よ」と皮肉たっぷり。ウェールズ産の白いチーズ、カーフィリーチーズがお目当てだったというレイチェル・チャドウィックさんも、「こんなことなら山羊の乳を使用した“フェタチーズ”フェスティバルにすればよかったのに」とTwitterに失望感をぶつけた。

事前の宣伝には“音楽やクラフトビール、リキュールやワインもどうぞ”とあっただけに、ヘレン・チャップマンさんは「バドワイザーとかステラビールのどこがクラフトビールよ」と綴っている。フードトラック型の屋台が2台、テントも3台ほどしか設営されなかったため、人々は共通して「22ポンドもの入場料を支払ったのに、たったこれだけ?」とひどく憤慨しているのだ。

ブライトンのチーズフェスティバルが著しく不評を買ったのは、今回が初めてではない。昨年8月に行われたイベントでは90分待ちものひどく長い行列が出来てしまい、スタッフの不足や不手際が目立っていたそうだ。主催者は営利目的でフェスティバルを開催するのは当然だが、こんなことをしているようでは消費者の気持ちはどんどん離れていく。口コミを見た人々は来年このフェスティバルに足を向けようと思うだろうか。

画像は『Sky.com 2018年3月5日付「Should have done feta: Brighton cheese festival runs out of... cheese」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)