[Jステーション-広島ホームテレビ]2017年10月18日放送の広島HOMEテレビ「Jステーション」で、ため池の水を抜く取り組みが紹介されました。

ウシガエル(Toshihiro Gamoさん撮影、Flickerより)

外来種を駆除するため

県内にはおよそ2万カ所あるというため池。農業用水を確保するために作られたもので、水の中には様々な生き物が生息しています。網ですくうと、おたまじゃくしやエビなどが入ります。

三原市では、一般の人たちが参加する「ゆめ農業講座」で、観察会が開かれました。

田打のふるさとを守る会の坂口泰久代表は、「水を抜くことは普段はやらないの?」との記者の質問に、「普段はまずしない。水をためるのに時間がかかるから」といわれていました。

今回は底にいる生き物を確認するため、特別に水を抜きます。水を抜くのに丸1日かかりました。胴長を身につけた人たちが、網を持って池に入ります。池の底のぬかるみに、足がとられるようです。

水位の下がった池に網を入れると、底から外来種のウシガエルが。大量に見つかったおたまじゃくしも、ウシガエルのものです。実は池干しと呼ばれ、ウシガエルなど外来種を駆除するために実施されているのです。

参加者からは、「オタマがけっこう入れ食い」「クサガメをいっぺんにとった」といった声が聞かれました。

観察会に参加した宮城県のナマズの学校の三塚牧夫事務局長は、「(外来種の)ザリガニやウシガエルは、雑食性で何でも食べる。ですから、きちんと駆除しないと、在来種の保全ができない」といわれていました。

外来種が幅をきかせる中、ドンコと呼ばれる魚やエビなどの在来種も多く見つかりました。さらにクロスジギンヤンマのヤゴも。

三塚さんは、「在来種のエビがいなくなると、危険な状態になる。(外来種が)増えないように、池干し駆除活動を頻繁にやってもらいたい」といわれていました。

たとえば、ウシガエルなどは食用として人間の手で持ち込まれたもの。こうした外来種が繁殖すると、日本固有の種の存続がおびやかされかねません。こういった必要な駆除活動は、全国にも広がってほしいですね。(ライター・石田こよみ)