品川駅、乗車人数で17年ぶりに5位に浮上 渋谷駅は東横線とメトロの直通運転開始の影響で6位に
JR東日本は7月13日、管内における2016年度の駅別1日平均乗車人数ランキングを発表した。それまでランキング上位の常連だった渋谷駅は6位に順位を下げた一方、品川駅は前年度から乗車人数が約1万人増加し、初のトップ5入りを果たした。
渋谷駅は、東急と東京メトロの相互直通運転で乗り換え客が減少
JR東日本は年度ごとに、管内にある駅の1日平均乗車人数をまとめている。2016年度のランキング1位は「新宿駅」で約76万9300人と、2位の「池袋駅」(同55万9900人)を大きく引き離している。3位は「東京駅」(同43万9500人)、4位は「横浜駅」(同41万4600人)と、4位までの順位は2013年から4年連続で変化していない。
大きな変化があったのは品川駅だ。37万1787人の利用者を有し、前年度の6位から5位に順位を上げた。品川駅は、調査結果の残る1999年からずっと6位を維持してきた。キャリコネニュースがJR東日本の広報担当者に、今回初めて順位を上げた理由を聞くと、次のように分析した。
「2015年3月に上野東京ラインが開通しました。そのため品川駅の乗車人数が増えたものと見ています」
宇都宮線や常磐線など、上野駅止まりだった路線が東海道線と相互直通運転を始めたことで、新たな乗客層を取り込めたようだ。
一方で「渋谷駅」は、前年度の5位から6位に順位を落とした。乗車人数は37万1336人と、5位の品川駅に400人ほど及ばなかった。同担当者はこれについて、
「2013年に、東急東横線と東京メトロ副都心線との相互直通運転が始まりました。そのため渋谷駅でJR線に乗り換える必要がなくなったことが考えられます」
と語った。品川、渋谷両駅の定期利用者数を比較すると、品川駅は前年度から約5700人増加したのに対し、渋谷駅は約1300人減少。定期外利用者数は、両駅で増加しているものの、増加幅が品川のほうが大きい。
大崎駅や武蔵小杉駅は、周辺のマンション開発の影響で利用人数増加
7位は「新橋駅」(約27万1000人)、8位は「大宮駅」(同25万2700人)、9位は「秋葉原駅」(同24万6600人)、10位は「北千住駅」(同21万4300人)で、品川駅と渋谷駅が入れ替わった以外は、前年度と同じ順位だった。
ほかに前年度より乗車人数が増えた駅には、「大崎駅」(約16万800人、前年度比4.1%)、「武蔵小杉駅」(同12万8000人、前年度比3%)などがある。周辺でマンションの開発が行われていることが理由ではないかと、広報担当者は語る。
この結果についてネットでは、「品川が発展した結果というより、渋谷駅が使いづらく改悪されたのと、私鉄相互乗り合いで渋谷で降りずにすむようになった結果という印象があるな」「東急、渋谷開発のために渋谷に人を送り込みたいのに、西武や東武乗り入れが裏目になったのか」といった意見が聞かれていた。