2017年のプロ野球は交流戦を終え、シーズンの折り返し地点に差しかかった。昨年Bクラスの楽天が開幕序盤から首位に立ち、優勝候補の筆頭といわれた巨人が悪夢の13連敗で借金生活に突入するなど、波乱尽くめの前半戦だった。セ・リーグ、パ・リーグとも上位、下位の陣容は固まりつつあるが、最後まで何が起きるか分からないのが、スポーツの醍醐味。読者の皆さんは今、どの球団を応援しているだろうか。

Jタウンネット編集部は5月14日〜6月19日、好きなプロ野球チームのアンケート調査を実施すると、なんと前回(14年)の10倍におよぶ、1万1522人もの読者に投票を頂いた。はたしてその結果は――。

関東は「巨人」が制すも、2位と僅差に

47都道府県別の投票を集計し、各都道府県で最も人気のある球団を色で示すと、以下のようになった。



北海道を地盤とする日本ハムは、北海道と青森で1位を獲得し、東北楽天は地元・宮城と秋田でトップだった。岩手と山形、福島で首位を獲得した巨人は、北海道、青森、宮城、岩手でも2位にランクイン。常勝軍団は東北地方で、確固たる地位を築き上げていた。

関東地方では各県とも、1、2位が僅差だった。茨城は、首位の巨人が19.7%、2位のロッテが19.1%で、栃木は首位の巨人が19.5%、2位の西武が18.6%、群馬は首位の巨人が18.6%、2位のDeNAが17.7%。埼玉は、首位の巨人が15.9%、2位の西武が15.7%で、千葉は首位の巨人が20.1%、2位のロッテが19.3%。これら各県は、票数こそ巨人がトップとなったが、地元や隣県のチームとは、わずか1ポイント未満の差で接戦となった。

東京は首位の阪神が17.1%、2位の広島が16.0%。2チームが本拠地を置く東京だが、巨人はまさかの3位(10.1%)で、ヤクルト(9.3%)が続いた。なお神奈川は唯一、DeNA(110票)の独壇場と化した。

静岡と岐阜、愛知、三重の東海地方4県は案の定、ドラゴンズ一色だった。北は石川から南は高知まで、13県で首位に立った阪神は、滋賀を除いて近畿地方の全土を一色に染めた。そういえば2014年の人気球団調査でも、滋賀は近畿で唯一、西武ファン多数だった......滋賀と西武に何か、関係があるのだろうか。このあたりの考察は、以前「滋賀県になぜか多い『西武ファン』の謎を追う」として記事化しているので、あわせて参照いただきたい。

広島が47都道府県で唯一のカープ王国となった。「カープ女子」「神ってる」などで人気、実力ともに上昇中のカープだが、全国規模でみるとまだ拡大の余地を残しているようだ。

山陰に目を移すと、鳥取と島根の間で境界線が浮かび上がった。鳥取は、首位の阪神が36.6%、2位の広島が35.4%で、島根は首位のソフトバンクが36.3%、2位の広島が34.1%だった。同じ中国地方だからか、両県ともカープファンをある程度抱えているという点では一致するが、主要ファンの視線は正反対の方向に向いている。それは、鳥取でソフトバンクに投票したのが1人、島根で阪神に投票したのが2人であることからも明白だ。

九州、沖縄地方では、佐賀を除いた7県でソフトバンクが首位に立ち、西武が佐賀で首位を獲得した。佐賀県民が西武を愛するのには、何か特別な理由があるのかもしれない。もしかしたら福岡を拠点とした「西鉄ライオンズ」時代からのファンが多いのだろうか。



各都道府県の投票を合計してチーム別にすると、表のようになった。阪神と巨人、広島が飛び抜けており、セ・リーグがパ・リーグよりファンの数で上回っている。