レトロタッチが話題の「痴漢撲滅ポスター」、2017年版もインパクト抜群
6月と言えば、首都圏の鉄道会社各社合同の「痴漢撲滅キャンペーン」のポスターが更新される時期だ。現代は漫画やアニメ絵を使った広告は溢れているが、「痴漢撲滅キャンペーン」のポスターは、それらの現代的な絵柄ではなくクラシックなテイストで描かれているため、ついつい目が行ってしまう。
これまで劇画風、80年代風、90年代風など更新のたびに時代を移動してきたポスターは、毎年注目されている。
2014年:「痴漢撲滅」ポスターのレトロ漫画風キャラが今年もカワイイ
2015年:今年は90年代少女漫画風?「痴漢撲滅」ポスターの新作がやっぱりクオリティ高い
2016年:首都圏恒例「痴漢撲滅」ポスター、2016年版は「70年代」風でレトロ回帰?
それでは、2017年はどのようになったのだろうか?
「犯罪だ!!」のインパクト
こちらが2017年版のポスターだ。「痴漢です!」と叫ぶ女性、ざわつく乗客、颯爽と駆けつける駅員と、これまでと共通のフォーマットを保ちながら、見事に絵柄を変えている。
2017年版の痴漢撲滅キャンペーンのポスター(以下、画像はすべてJタウンネット撮影)
全体的な印象としては、昨16年版と比較すると被害者女性、駅員、乗客の平均年齢がかなり下がったように見える。そして毛量もかなり増されている。
「痴漢だと!?」と勢いよく叫んでいる高校生の毛量は「伝説巨人イデオン」の主人公、コスモを想起させるほどだ。
昨年の2016年版は劇画タッチが強めで、白いカチューシャが特徴の被害者女性、無表情かつ寡黙な男性駅員といった主要人物が目を引くのは当然ながら、オシャレなサラリーマンや和服の女性、表情豊かな縁なしメガネの女性と、乗客の人々も個性的だった。
2016年版
絵柄が変わった今年も、乗客は個性豊かだ。前述の毛量の多い男子高校生に始まり、腕を組んだ強気そうな女子高生、ボーダーシャツが特徴的な女性、不安そうに見届けるメガネの女性、そして大声で「犯罪だ!!」と叫び、犯人を指さしていると思われ白髪交じりの男性のインパクトは強烈だ。
また、女性駅員の冷静な顔つきも印象的だ。台詞はないものの、女の敵は許さないという内に秘めた思いが溢れ出るかのようだ。
今回も作者はイラストレーターの師岡とおるさんで、ウェブサイト上にもポスターを公開している。