今夜「プレバト!!」キスマイ千賀とフルポン村上、それぞれの「らしさ」が俳句に出た
木曜19時放送の「プレバト!!」(MBS制作)。先週は3時間スペシャル、気になる俳句査定は、季節ごとに名人・特待生だけが参戦できるタイトル戦を行う事が発表された。第一回は、桜の季節に行われる「俳桜戦」。しかし、現在最高位に位置する名人五段の梅沢富美男は、出演を辞退した。理由は、出場してしまうと必ず勝ってしまうから。
テーマは「満開の桜」。イメージで使用された写真は桜のみだ。シンプルなので、他の要素を自分で絡めなければいけないので、上級者向けだ。
実力者が揃うと気づくことがあった。詠まれた句に本人のキャラクター性が強く出るということだ。例えば、7位だったミッツ・マングローブの句は、上五が「薄づき」だ。化粧用語から入るあたり、さすがは女装家といった感じがする。
そして3位に入ったKis-My-Ft2の千賀健永の句。
桜花風の名残の空の波
風に舞う桜が波のように見える。「名残」という言葉で、自分がそこにいたということを伝えたいと詠んだ句だ。情景もキレイだが、とにかく音が気持ちいい。「の」を三回くり返してもクドくならないのは、語順が良いからだろう。この音の感覚とリズムの良さは、27歳現役バリバリのジャニーズといった印象だ。これを夏井先生が添削した。
桜さくら風の名残の空の波
リフレインを足して、さらに音の気持ち良さが増している。
次に5位だったフルーツポンチ村上の句だ。
エルボーの子を迎え撃つ花吹雪
大人達は桜を見て楽しんだり、酒を飲んだりする中、子供達は待っている桜吹雪とエルボーで戦っている。桜の楽しみ方は人それぞれだという句だ。これの何が村上らしいのか? それは、「俳句という日本文化の世界にエルボーなんて横文字使っちゃうオレどうよ?」感だ。
こう言うと悪口のようになってしまうが、決してそういうことではない。なぜなら、フルーツポンチは、このエルボーのように“イキッてるヤツ”を演じたコントでブレイクした。つまり、自分自身と向き合って生まれたコントのキャラクターを、そのまま自分の個性として俳句にぶつけてきているのだ。もっというと、このダサいキャラクターを背負う覚悟さえ感じる。この感覚を夏井先生は「面白い」とし、活かして添削をしている。
花吹雪くるエルボーで迎え撃つ
ほとんど語順を変えただけなのに、子供目線で迫力のある花吹雪が思い浮かぶ句になった。エルボーという浮くはずの難しい単語が馴染んでいる事も驚きだ。“イキり”まで詩情に昇華させてしまったのだ。
どの世界でも“どんな人がどんなものを創ったか”というのは大事な事だ。特待生・名人達は「どの作品が誰の句なのか当てクイズ」が簡単過ぎて成立しないほどの個性を持ちつつある。
(沢野奈津夫@HEW)
テーマは「満開の桜」。イメージで使用された写真は桜のみだ。シンプルなので、他の要素を自分で絡めなければいけないので、上級者向けだ。
若手ジャニーズが詠んだ句
実力者が揃うと気づくことがあった。詠まれた句に本人のキャラクター性が強く出るということだ。例えば、7位だったミッツ・マングローブの句は、上五が「薄づき」だ。化粧用語から入るあたり、さすがは女装家といった感じがする。
そして3位に入ったKis-My-Ft2の千賀健永の句。
桜花風の名残の空の波
風に舞う桜が波のように見える。「名残」という言葉で、自分がそこにいたということを伝えたいと詠んだ句だ。情景もキレイだが、とにかく音が気持ちいい。「の」を三回くり返してもクドくならないのは、語順が良いからだろう。この音の感覚とリズムの良さは、27歳現役バリバリのジャニーズといった印象だ。これを夏井先生が添削した。
桜さくら風の名残の空の波
リフレインを足して、さらに音の気持ち良さが増している。
イキり芸人が詠んだ句
次に5位だったフルーツポンチ村上の句だ。
エルボーの子を迎え撃つ花吹雪
大人達は桜を見て楽しんだり、酒を飲んだりする中、子供達は待っている桜吹雪とエルボーで戦っている。桜の楽しみ方は人それぞれだという句だ。これの何が村上らしいのか? それは、「俳句という日本文化の世界にエルボーなんて横文字使っちゃうオレどうよ?」感だ。
こう言うと悪口のようになってしまうが、決してそういうことではない。なぜなら、フルーツポンチは、このエルボーのように“イキッてるヤツ”を演じたコントでブレイクした。つまり、自分自身と向き合って生まれたコントのキャラクターを、そのまま自分の個性として俳句にぶつけてきているのだ。もっというと、このダサいキャラクターを背負う覚悟さえ感じる。この感覚を夏井先生は「面白い」とし、活かして添削をしている。
花吹雪くるエルボーで迎え撃つ
ほとんど語順を変えただけなのに、子供目線で迫力のある花吹雪が思い浮かぶ句になった。エルボーという浮くはずの難しい単語が馴染んでいる事も驚きだ。“イキり”まで詩情に昇華させてしまったのだ。
どの世界でも“どんな人がどんなものを創ったか”というのは大事な事だ。特待生・名人達は「どの作品が誰の句なのか当てクイズ」が簡単過ぎて成立しないほどの個性を持ちつつある。
(沢野奈津夫@HEW)