「ひよっこ」9話。こんなにも清く正しいのには裏があった

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連続テレビ小説「ひよっこ」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第2週「泣くのはいやだ、笑っちゃおう」第9回 4月11日(水)放送より。 
脚本:岡田惠和 演出:黒崎博 視聴率:18.3%(ビデオリサーチ社調べ 関東地区)前日比↓


9話はこんな話


美代子(木村佳乃)が心配して東京に電話すると、実(沢村一樹)が荷物を置いたままいなくなってしまっていた。

アジャパー ガチョーン 置いといて


20.1%→18.3%→20.4%と極端に上がり下がりして慌ただしい「ひよっこ」。
視聴率は落ち着かないが、作品はいたって安定しているので、このまま固定客をがっちり掴んでいくはず。

さて「アジャパー」「ガチョーン」と次々に当時の流行語を織り込んでくるが、意外とそこにナレーション解説はないなーと思って見ていると、増田明美が体育の木脇先生役で出てきた! 先週の予告で集団の先頭走っていたのはそういうわけだったのか! くすぐりますねー。
あとで、増田明美は「置いといて」を流行らせた「ジェスチャー」という番組の解説をしてくれた。アジャパー、ガチョーンは説明するまでもないというところだろう。

がんばろー きらきらきらきら


お父ちゃんがいないから、無理して、わがまま言うのを我慢しているという健気な事情が明かされる。
テレビ観ていて、笑っちゃうときになんか申し訳ない気持ちになると言うみね子(有村架純)。

「だから我が家は今、とっても清く正しい人になってしまっているのよ」

1話からずっと、なんて心洗われる家族なのだとむやみに感動していたけれど、清さ正しさには深い事情があったのだ。「がんばろー」のあとに「きらきらきら」と足しているのも、むやみに明るく「がんばろー」と励ますことへの羞恥心の表れなのだろう。
すべての言動にちょっとだけ照れや恥ずかしさや反省をもつ気持ちはとても大事だと思う。
有村架純はそういう繊細な部分をとても的確に演じている。ある程度経験を積んだ女優だからこその技だ。

よくあるといえばよくあることなんだけどね


美代子が実の宿泊施設に電話すると「荷物置いたままいなくなってしまった」と言われる。「よくあるといえばよくあることなんだけどね」なんてこわい時代ですね。
何も知らないみね子だったが、すれ違った宗男(峯田和伸)には連絡が入ったようで、なにかちょっと様子がおかしい。
不穏な音楽が鳴って、鴉が泣いて、10話に引っ張ります。
(木俣冬)