福岡県北九州市で1990年4月22日に開園し、多くの人々に親しまれた宇宙をテーマにした遊園地「スペースワールド」が、27年間の歴史に幕を下ろす。

それを広く伝えるため、スペースワールドは「遊びに来てくれた人、全ての人に」とCMを作成したのだが、暗い話題を明るく伝える内容となっており、ネット上で強い関心を集めている。この動画の意図や、最後の年に向けての意気込みをスペースワールドに聞いた。


画像はスペースワールドのCM「所信表明編」のスクリーンショット

テーマは「最後まで明るく」

スペースワールドの閉園自体は16年12月16日に公式サイト上で告知されており、今回の動画は改めの周知となる。

90年4月に開園すると、宇宙をテーマにしたアトラクションは、多くの人に新鮮さと共に受け入れられ、人気を博した。

今回公開された動画では、グランドオープンの様子から始まり、ダンスレッスン、点検風景を交えながら、閉園する旨を伝えている。


施設の点検の様子も交え、歴史を紹介している

寂しげなピアノの音色をバックに動画は進むのだが、ラストで一変。軽快な伴奏に乗せ、往年の人気番組をパロディーした、「なくなるヨ!全員集合」とスタッフが明るく掛け声を上げてしめられる。ラスト6秒で悲壮感を吹き飛ばすことで、独特の勢いが付与されている。

この動画についてスペースワールドに聞いたところ、

「暗くならず、お客様には最後まで楽しい思い出を持ちかえって頂きたい」

という思いから、作られたという。

動画内で「なくなるヨ!」と音頭を取っているのは企画営業部の取締役で、映っている人物はすべて実際に働いているスタッフと、まさに園を挙げての動画となっている。

動画のコメント欄には、

「開き直ったwww」
「修学旅行で行った思い出のある遊園地。もう一度行ってみるかなw」
「能天気すぎるw」

と、再度の来園を考える人も居るなど、明るく言い放った成果(?)が早くも現れているようだ。

しかし、スペースワールドが公開した動画はこれだけではない。ユニークで貴重な、アトラクションの360度動画も多数アップされているのだ。

充実の360度動画にも注目

様々なアトラクションに乗って撮影された動画が並ぶが、中でもジェットコースターで撮影されたものなどは迫力がある。

普通の画面で見ても、乗っているときは決して見ることは出来ない背後の様子を観察することができるが、ヘッドマウントディスプレイを使えば更に臨場感のある映像になりそうだ。

また、中には、スケートリンクの整氷作業を作業車の上から撮影した変わった動画もある。

動画以外にも、スペースワールドの大盤振る舞いは更に続く。12月31日の閉園日までの無休営業、冬季限定だったイルミネーションも夜間営業日には点灯、日にちは限定されるものの、店内の施設を使って自由にコスプレ撮影が出来るなど、「ファイナルイヤー」に向けてのイベントが目白押しである。

それらの春のイベント以外にも、これからの夏、秋、冬にも特別な催しを企画しているといい、担当者は

「去年は最高益を記録しており、業績も好調な中での閉園で、運営側としてもとても残念。しかし、暗くならずに最後までお客様には楽しい思い出を持ちかえって頂きたい。これからの季節も様々なイベント予定しているので、ホームページをチェックしてほしいです」

と語った。