「金沢カレーはカレーではない」説は本当か、都道府県別に調査した結果...!?
濃厚でどろどろとしたルー、千切りキャベツの付け合わせ......石川県金沢市の名物料理「金沢カレー」にはこうした材料が用いられ、フォークや先割れスプーンで食べたり、ルーに載ったカツにソースがかかっていたりすることから、普通のカレーとは似て非なる見た目、味が醸し出される。
そのためネット掲示板2ちゃんねるの「金沢カレーをカレーライスだと認める派?」というスレッドには、「金沢カレーはカレーライスではないわ」「キャベツの千切りとカレーが悲しいほど相容れない」などと、厳しい意見が寄せられていた。
Jタウン研究所はそこで、「金沢カレーは『カレー』だと思いますか?」とのテーマで都道府県別のアンケート調査を実施した(総投票数1035票、2017年2月17日〜3月15日)。果たして、その結果は――。
「カレーじゃない」が突出して高いあの県
結果は、「カレーだ」が828票(80.0%)で、「カレーではない」が207票(20.0%)だった。国民の5人に4人が、金沢カレーをカレーと認識しているようだ。下の円グラフを見てほしい。
都道府県別に意見を聴取すると、上記の地図のように分類できた。金沢カレーを「カレーだ」とする割合が90%を超えた都道府県は、全国各地に散らばっている。
「金沢カレー」発祥の地・金沢市を擁する石川県では93.6%、同じ北陸地方の富山県と新潟県でもそれぞれ100%を記録した。NTTタウンページが割り出した都道府県別人口10万人あたりの「カレーハウス」登録件数ランキング(2013年)によると、石川県は「札幌スープカレー」が有名な北海道(第2位)や東京都(第3位)を押さえ、第1位に輝いており、実体に伴った割合だといえるだろう。
画像はイメージ(whityさん撮影、flickrより)
京都府(100%)や兵庫県(90%)、和歌山県(100%)、三重県(100%)など、近畿地方では他地方と比べ、「カレーだ」派が多数を占めた。一方、福岡県(30%)では突出して低い割合を記録した。もしかすると「金沢カレー」は関門海峡を越えていない......のかもしれない。
金沢県の公式サイトによると、金沢カレーは県内で「注目度ナンバーワン」のB級グルメで、
「30 年ほど前から庶民の味として親しまれ、徐々にカレー専門のチェーン店も登場するほどおなじみのメニューとなった。非常にボリュームがある店が多く、幅広い層から人気がある」
と説明されている。「金沢カレー」の名称が定着したのはここ数年の間で、金沢に本社を置くカレー店が東京に進出する際に「金沢カレー」の名を使ったり、メディアに取り上げられたりして広まったそうだ。発祥の店に関しては諸説あるが、金沢県の公式サイトは
「現在『金沢カレーの元祖』を名乗る店舗の創業者が、1960 年代当時経営していた洋食店で提供したカツカレーが原型といわれる(諸説あり定かになっていない)」
としている。