「やぶ医者」は、名医だった!
[ちちんぷいぷい - 毎日放送] 2016年12月26日放送の「Today's VOICE ニュースな人」のコーナーで、「やぶ医者大賞」を受賞した花戸貴司医師が紹介されました。
「やぶ医者大賞」は兵庫県養父市が主催していて、やぶ医者の語源が「養父(やぶ)の名医」との説にちなんで2014年に創設されました。市内外を問わず、過疎地やへき地の医療に尽力した医師を顕彰するもので、今年で3回目となります。
「病気」を診るのではなく「人」を見る
花戸医師は滋賀県東近江市の山間部、三重県との県境に近いところにある永源寺地区で診療されています。この地区は過疎化高齢化が進み、65歳以上が占める割合を表す高齢化率が33.7%と、全国平均の26.7%を上回っています。集落によっては80%以上のところもあるとのことです。
赴任した頃は「診療所の医療レベルを上げたい」との熱い思いをお持ちでしたが、地域の患者さんと接している日々の中で、高度な医療をみんなが望んでいるわけではないことに気がついて、患者さんの声に耳を傾けて地域の人々に寄り添う診療をされています。
今では、地元の薬剤師や介護士の方とともに、行政と医療・福祉関係者との連絡会「チーム永源寺」を結成し、地域の医療を行政に伝えて政策に反映するようにと活動しています。
永源寺地区の10年前の高齢化率が今の全国平均と変わらないことから、「日本の10年先をいっている地域」と考えて、今やっていることが10年後の日本で役立つモデルになればとおっしゃっていました。(ライター:けあるひの)
永源寺地区にある「永源寺」(Keiko Shihさん撮影、flickrより)