ブラジル・リオデジャネイロ五輪において、体操男子団体総合で金メダルを、個人種目別跳馬で銅メダルを獲得した白井健三。得意の床は不本意な演技で4位という結果となったが、この悔しさを糧に臨んだ跳馬では新技となる伸身ユルチェンコ3回半ひねりに挑戦。見事に成功させている。

リオ五輪から1ヶ月以上が経過し、白井は今大会をどのように振り返るのか。テレビ朝日「報道ステーション」(26日放送分)では、スポーツ解説者・松岡修造氏が聞き手を務めたインタビューが放送された。

「全部勝ってたら東京(五輪)どうしようってなってたと思います。でも負けもありますし、リオで一区切りではなくリオで加速」と切り出した白井は、4位となった床を“負け”と表現した。

そんな床について、松岡氏から「魔物的(五輪には魔物がいる)にはどうでした?」と訊かれると、「魔物ではない。床は特別な意識をしなかったことが悪いのかなと思います、逆に」と反省の弁。

平常心を意識して臨んだ五輪だったが、大会を終えた白井は「もっとオリンピックだって思ったほうが良かったのかな。オリンピックだからって思うことで楽しめたり、特別な感情を抱いて演技に入ったほうがよかった」と苦笑いを浮かべた。

だが、今年1月に行われた松岡氏のインタビューでは、「ご飯を食べるとかトイレに行くのと大して変わらない。やって当然」とまで語っていた白井。この時の発言について訊かれると「逆にトイレすぎたかもしれない」と言い、松岡氏をずっこけさせた。

「トイレに行く時、特別感ってないじゃないですか? お腹がゆるい時くらいのテンションで行ったほうがよかった」と独特の表現で説明。“いつも通り”では勝てないと悟った白井は、この反省から跳馬での新技挑戦を決断することになったという。

「当日に決めました」と明かした白井は、「浴してこそスポーツだなって思いました」とニッコリ。「試合って“抑えて抑えて”っていきがちじゃないですか。でも、そんなんでオリンピック終わっていい思い出になるのかなって思った時に自分が一番やりたいことをやって終わることが一番いい」と言葉を続けた。

また、同インタビューでは、内村航平についても語っている白井。「航平さんは調子が良くても悪くても毎日やることが変わらない。僕は調子良い時はいいんですけど、悪い時は同じ技に本数をかけてしまったり、調子良い時と同じことができない。航平さんはそういうことをしない。(調子の良い悪いが)本当にわからない。運が向くような練習していると思います。こういう存在が世界チャンピオンになるべき存在」と敬服した。