【福島 抽選後 展望】10連覇を狙う聖光学院に対抗できるチームが続出!歴史的な1年になるか?

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 聖光学院が9連覇中の福島大会。今春の県大会は光南が優勝、磐城が準優勝しているが、この夏はどんな展開となるのか。6月21日に組み合わせが決定した今年の福島大会の見所についてお伝えしていきたい。

聖光学院のブロックには好チームが揃う

鈴木 拓人(聖光学院)

 この春の福島県大会。過去の戦績から聖光学院は当然のように優勝候補に挙げられていた。ところが、初戦から苦戦。須賀川に主導権を握られて5回までに5点のリードを許したのだ。6回に7点を挙げ、8対7で辛勝。準々決勝では学法石川をコールドで下したが、準決勝では磐城に9対10で敗れ、春季県大会の7連覇とはならなかった。

 支部予選から東北大会まで、この春の公式戦10試合で計40失点。完封勝ちした試合は支部予選の福島成蹊戦のみだった。最速142キロのエース左腕・鈴木 拓人以外の投手陣がカギを握りそうだ。2007年から9連覇中。13年からは3年連続で、決勝戦を1点差で勝っている。けが人が多かったとはいえ、今春の結果を踏まえ、夏までどう鍛え上げてくるか。初戦の相手は大沼に決まった。

 この聖光学院のブロックは好チームがそろう。今春の県大会初戦で聖光学院を苦しめた須賀川。この春、創部56年目で春秋通じて県大会初勝利を挙げて8強入りした船引。須賀川と船引は勝ち上がれば3回戦で当たることになる。昨秋4強の福島商を今春の県大会2回戦で完封した蒔田 達広擁する小高工もおり、好ゲームが繰り広げられそうだ。

 昨秋は県大会初戦敗退だった磐城が今春の県大会で準優勝。準決勝では延長10回の末、聖光学院を破り、11年ぶりとなる決勝に進出した。エース・戸田 開斗は変則フォームの左腕で、打者にとってはタイミングが取りづらいため厄介だ。同ブロックには3年連続で決勝に進出している日大東北が入った。この春は準決勝で光南に敗れ、3位決定戦では聖光学院に敗戦。13、14年の秋には聖光学院に黒星をつけているが、春や夏は勝ちきれない。エース・磯上 海大、左腕・半田 雄瑚の2年生2枚看板を軸に守りきれるか。このブロックには、今春の県大会で延長戦を2試合連続で制して8強入りした相馬が入った。

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鞆谷 翔(学法石川)

 15年ぶりに春の県大会で優勝した光南。2年生エース・石井 諒、坂路 翔、矢田部 直士と投手力が安定している。県大会は決勝こそ10対7という試合になったが、それまでは接戦を粘り強く勝ち上がってきた。光南は聖光学院の連覇が始まる前の06年に甲子園出場があり、今年、プロ初勝利を挙げた西武・佐藤 勇投手の母校でもある。光南のブロックには昨秋4強のいわき光洋が入ったが、初戦は今春の会津支部予選で5年ぶりの優勝を飾った会津だ。

 春夏合わせて12回の甲子園出場がある学法石川は、昨秋の県大会で準優勝し、11年ぶりとなる東北大会に出場した。宗田 真也、北郷 辰憲の投手陣に三拍子がそろった鞆谷 翔ら攻撃陣がかみ合い、17年ぶりの聖地を狙いたい。昨秋、3位で東北大会に出場した古豪・福島商はプロ注目の秋山 拓人捕手を中心に上位を伺いたいところだが、初戦は今春の県大会1回戦で光南に1対2と善戦し、好投手を擁する福島西だ。

 このブロックに入っている学法福島は182センチの最速142キロの佐藤 巧麻が大黒柱。09年に準優勝している東日本国際大昌平は昨年12月に元プロ野球選手の伊藤 博康監督が就任。今春の県大会では2回戦で光南と対戦し、9回裏に2点を失ってサヨナラ負け。春を糧に夏はどのような戦いを見せるか。互いに勝ち上がれば、3回戦で学法石川と対戦する。

 なお、大会には86校78チームが参加する。会津西連合(西会津・猪苗代・坂下)、四倉・遠野・小名浜、安達東・川俣・湖南、相馬農・双葉・新地が連合チーム。選手宣誓は若松商の五十嵐 啓翔主将が務める。

(文・高橋 昌江)

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