コーヒーはがんの原因にならないことを世界保健機関が発表、ただし熱すぎる飲み物はがんの原因になる
by waferboard
「コーヒーは膀胱がんの原因となる発がん性物質を含む」と、過去に世界保健機関(WHO)は発表していましたが、25年にわたってコーヒーとがんの関係が研究された結果、「コーヒーはがんを引き起こさない」ということがわかりました。一方で、種類に関係なく「熱すぎる飲み物」ががんを引き起こす可能性があると報告されています。
World Health Organization Drops Coffee’s Status as Possible Carcinogen - WSJ
Very hot drinks 'probably' cause cancer: UN agency
https://www.yahoo.com/news/very-hot-drinks-probably-cause-cancer-un-body-084306341.html
Carcinogenicity of drinking coffee, mate, and very hot beverages - The Lancet Oncology
http://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(16)30239-X/fulltext
WHOの発表によると、コーヒーは膀胱がんだけでなく膵臓がん・前立腺がんなどの原因にもならないとのことで、むしろ肝臓がんや子宮がんなど、20種類以上のがんリスクを減らすことができることさえ判明しています。
WHOの指針の転換は、WHOの外部組織である国際がん研究機関(IARC)がコーヒーとがんとの関係を研究した1000以上の論文を再調査した結果を受けたもの。調査を率いたIARCのデイナ・ルーミス博士は「IARCが初めてコーヒーを『発がんの可能性があるもの』に分類した1991年から、コーヒーに関する科学的な調査結果はどんどん増えていき、信頼性も高まってきました」と語っており、過去の研究の被験者の中には喫煙者がいたことなどもあり、コーヒーとがんの間には「コーヒーが、がんのリスクを減らせるという関係がある」と、これまでの発表とは真逆の結論に至ったとのこと。現在、IARCはコーヒーを植物由来の化学物質による抗がん作用がある飲み物として記録しています。
by Paval Hadzinski
IARCが「発がんの可能性がある」と指定した物質を後に取り下げることは初めてではないものの、めったに起こらない出来事だそうです。
一方で、IARCは「熱すぎる飲み物を摂取すること」ががんを引き起こすと発表。まだ証拠は限定的であるものの、「中国や南米ではアメリカ・ヨーロッパより6度ほど高い摂氏70度近くの飲み物を摂取する」という事実に注目した研究で、食道がんと「熱すぎる飲み物を摂取すること」の間には関係があることが示唆されました。
アメリカのNational Coffee Associationによると、アメリカ人は平均して1日3杯のコーヒーを摂取し、2015年においてコーヒーに支払われた金額は全体で742億ドル(約7兆8億円)だったとのこと。アメリカ以外でも世界中でコーヒーの消費量は増えています。
National Coffee Associationはコーヒーを90度〜96度で抽出することをすすめていますが、飲む前には適切な温度になるまで冷ますべきであるとしています。
by Artur Chalyj