【山口展望】秋春優勝の早鞆は1967年以来の夏の甲子園を実現できるか?追う各校の強豪たち
毎年、全国では個々の力ではなく、試合運びの良さで勝負している山口県。昨年の出場校である下関商は緻密な機動力野球で1勝を挙げるなど、上手さが光った。今年は飛び抜けた学校がなく、拮抗した戦いが繰り広げられそうだ。
秋春優勝の早鞆が一歩リードも 宇部鴻城、高川学園といった実力校の戦いも見逃せない藤本 大輔(南陽工)
今年の山口で一歩リードしているといえるのが早鞆。140キロを超える速球を武器にする原 将輝、リードする内田 吉信も強打の捕手で、2人を中心に勝ち上がってきた。安定感があり、投打で隙がない。夏では1967年以来の夏の甲子園出場を狙える戦力になってきている。中国大会でも準優勝を収め、手応えを掴んだ春となった。
春準優勝の宇部鴻城は1年からレギュラーだった上田 力也に注目。パワフルさと柔軟性を兼ね備えたスラッガーだ。今年の選抜で1勝を挙げ、県大会ベスト4に残った南陽工。140キロ台の直球で押す重冨 将希は自慢の直球で選抜1勝を挙げたが、変化球の制球力に課題を残した。打線は強肩強打の藤本 大輔が引っ張る。夏へ向けて投打でレベルアップし、二季連続出場を目指したい。
他では守りの野球で県大会ベスト4まで勝ち上がった山口、2年連続の夏の甲子園出場を狙う下関商は、機動力に加えて、さらにパワーを鍛えるなど、昨年以上のチームを目指している。勝ち上がるにはエース・水永 大祐の成長がカギとなるだろう。
昨秋準優勝の宇部商は主砲・宮崎 洸太、最速137キロ左腕・野口 崚平、遊撃手・堀川 幸佑が中心。パワフルな野球を展開するチームで、夏へ向けて攻守の安定感を高めていけば再び優勝候補に浮上しそうだ。長打力のある重村 俊昭、盗塁技術の高さがウリの塚岡 大和と好野手を揃えた岩国総合も注目だ。そして春2回戦負けとはいえ、やはり怖いのが高川学園。1年生大会で優勝したことがあるようにチーム力はある。長打力だけではなく、守備力も高い相田 聖人、130キロを超える速球を投げ込み、捕手も兼任する山崎 悠大、昨夏から登板経験のある山野 太一など個々の能力は高いだけに、夏の戦いに注目だ。
個人では最速135キロ右腕・松前 拓弥(岩国商)、最速139キロ右腕の森本 兼生(防府)、県内屈指の長打力を持つ東 哲寛(山口鴻城)も見逃せないだろう。
組み合わせ抽選は6月18日に行われる。どんな抽選会になるか楽しみだ。
(文・河嶋 宗一)
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