神頼みをしてもお礼参りをしない日本人に喝!【矢島雅弘の「本が好きっ!」】

写真拡大 (全3枚)

『矢島雅弘の「本が好きっ!」』第10回のゲストは、『呪いが解けちゃう! すごい「お清め」プレミアム』(KADOKAWA刊)を出版された中井耀香さんでした。

「かわいい顔でキツイ一言」のキャッチフレーズを持っている中井さん。音声をお聞きしていただくと分かると思いますが、どんなことでも率直にお話をしてくださいます。だから、今回の収録では普段オブラートに包んで聞くような質問もストレートに聞かせていただきました。すると、とても素直で分かりやすいお答えが返ってきました。

さて、お話をしていて、驚いたことがありました。それは、中井さんが占い師として非常にストイックであることです。例えば「占いの結果とは違う人生を歩んだ人を見て、一体どこを読み違えたのか」や「占いでは、同じ誕生日の人は同じ運命を辿ることになるが、そうはならない。これはなぜか」といったことを、駆け出しの頃からずっと研究し続けてきたそうです。

占いが多くの人の経験則により統計学的に定義されたものであるとすれば、その占いが外れるということは、別の変数が作用しているはず。そういった主旨のことを中井さんからお聞きして、まるで数学者のようだと感じました。

そして、お話の中で僕が最も中井さんに共感したのは「古きよき日本人の宗教観を取り戻したい」という意見です。例えば地元の神社にお参りをしない、神頼みをして事が上手くいったのにお礼参りをしないなど、パワースポットブームの中にあっても、今の日本人が「神様」を身近に感じていない、敬意を払っていないと思われるエピソードが昨今は多いのです。「願い事だけして、あとは知らんぷりじゃ、神様だって、何だコイツって思いますよね?」という中井さんの意見には、僕も強く同意します。

中井さんの本について、タイトルを見ただけで「非科学的な、神頼みの本だろう?」と思う方も多いでしょう。でも、この本には、自他ともに無宗教を名乗る日本人が失ってしまった、古きよき宗教観=礼節が述べられてもいるのです。

一般に、成功者は人間関係を大事にしますし、見えない縁にも敬意を払います、その敬意とは決して表面上のものではなくて、もっと奥深いものです。ですから、この本から学べることはビジネスの世界で生きる人にもとても役立つのでは、僕はそう思いました。

今回の収録は、中井さんも僕も思ったことを素直に、相手を信頼してお話しできたと感じました。ぜひ音声の方も聴いてみて下さいね!

(文/ブックナビゲーター・矢島雅弘)

 ◆   ◆   ◆

【矢島雅弘の「本が好きっ!」】
ブックナビゲーター・矢島雅弘による書評ラジオ。毎回、話題の本の著者が登場して、本について掘り下げるインタビューを届ける。
オーディオブック配信サービス・FeBeにて無料配信中。http://febe.jp/honga