レジェンド・山本昌、引退後の生活を語る

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「山本昌クイズ! 私は巨人戦で42勝しています。これは、(対巨人戦勝利数で)歴代何位でしょう?」

昨季、50歳まで現役生活を送り、“球界のレジェンド”と呼ばれた男、山本昌。そんな偉大な男がこの日、東京スカイツリータウンで開催された「J:COM presents ニッポン放送『ショウアップナイター』プロ野球スペシャルトークショー」に出演した。


開幕から1ヶ月がたったプロ野球の今を語る……という触れ込みだったのだが、最終的には自ら「山本昌クイズ」を出題するというサービス精神も発揮。会場に詰めかけた野球ファンはもちろん、スカイツリーにたまたま来ていた観光客やちびっ子、さらにはおばあちゃんの心まで掴んでいた。

投げたいな、と思うんですけどね……


「野球やってる方が楽です。野球選手ってこんなに幸せだったのか、と」
「グラウンドに立つと、投げちゃいけないのかな、と。まだ投げられるんです。投げたいな、と思うんですけどね……」

18歳でプロ入りし、50歳で現役を引退するまで32年間、ゴールデンウィークとは無縁(というよりもむしろ書き入れ時)だった山本昌。引退してから初めての大型連休はいかがですか? という司会者からの問いに「選手のほうが楽」と返した。

「(解説者生活は)もう大変です。今、解説者として勉強しているところです」

引退後はニッポン放送ショウアップナイターの解説者をはじめ、テレビ解説や新聞での評論などもこなしている山本昌。特に、ショウアップナイターは今年50周年。そのメモリヤルイヤーの目玉人事として、50歳までプレーした“レジェンド”が新解説者として加わったわけだ。


現役時代と解説者生活、その違いについて、山本昌は2つの点をあげた。

「選手をどう呼べばいいか。その呼び方に戸惑いました。ドラゴンズの選手はどうしても呼び捨てにしちゃうんですよ。他チームの選手は当初『君』付けをしていたんですが、今は『●●選手』で統一しようと思っています。でも、ドラゴンズの選手はかわいがっていたから、どうしても戸惑っちゃいますね」

そしてもう1点が「立ち入り禁止が増えた」ということだった。

「ナゴヤドームでも、好きに行き来できないんです。(2軍が試合をする)ナゴヤ球場の駐車場にも停めさせてもらえなくなって、慌てて外のコインパーキングに停めましたよ(笑)」

ネットではボロカス書かれてしまいました


この日のイベントでは、開幕前の順位予想と実際の順位の齟齬。今、変えるとすればどう順位付けするか、という「中間順位予想」も行われた。

ちなみに、開幕前の予想は以下の通り。
<セ・リーグ>
1位:阪神(4) 2位:巨人(1) 3位:ヤクルト(5) 4位:広島(1) 5位:中日(3) 6位:DeNA(6)
<パ・リーグ>
1位:ソフトバンク(1) 2位:西武(4) 3位:日本ハム(3) 4位:ロッテ(2) 5位:楽天(5) 6位:オリックス(6)
※()内数字は5月1日終了時点での実際の順位

司会者からの「今、変更できるとしたら?」の問いかけに、「阪神と巨人の順位だけ逆にさせて頂いて・・・(笑)」と、セ・リーグ優勝予想を巨人に修正した。

「一番予想外だったのは広島です。なんでこんなに打ってるの!? と。実は当初、広島を最下位予想にしていて、最終的に4位に変更したんですね」

その「広島最下位予想」に対して、カープファンからこんなクレームがあったことを明かした。

「最下位予想をしたときファンの反響がね……『引退試合をさせてやったのに何事だ! それなのに、うちを最下位にするのか!?』『あの試合のせいで、クライマックス出られなかったんだぞ』と、ネットではボロカス書かれてしまいました。いやぁ、順位予想って、簡単にしちゃダメなんだな、と(苦笑)」

ちなみに、古巣の中日については?

「今、奇跡的に貯金があるんですよ! でも、大野(雄大)がいないでしょ。打線も昨日、高橋(周平)が手首を骨折。今年の原動力だっただけに残念なんですけども、ビシエドがいいのでね。高橋が戻ってくるまで5割をキープしていれば、チャンスはあるかな、と」


僕、メカに詳しいんです


ちなみに、冒頭の山本昌クイズ、正解は「第3位」。
(※1位:金田正一(65勝)、2位:平松政次(51勝)
この問題もあわせ、3問のクイズを即席で披露した。

トークショーあり、ジャンケン大会あり、即席クイズ大会あり、と1時間に渡って会場を沸かせた山本昌。さらにはトークショーの途中、J:COMが展開するモバイル端末を紹介するコーナーにも参加。その際、「今は見れないんです」というサンプル端末を起動させてしまうハプニングでも会場を沸かせた。

「僕、メカに詳しいんです。ラジコンしてましたからね(笑)」

この日は名古屋から新幹線で東京入りし、イベント会場に直行。トンカツ弁当をかき込み、イベントをこなし、終わればすぐに神宮球場に移動してニッポン放送のナイター中継で解説者席に座る、というハードスケジュールだった。


「今年、名古屋・東京間の新幹線を一番利用している名古屋人は、たぶん僕だと思います。あ、でも、まだまだ余裕はあります。忙しくなんかないですよ!」
現役時代同様、息の長い解説者人生を過ごしそうだ。
(オグマナオト)