大久保の意外?な心境…PK前は「いつも外すことしか考えていない」
 FW大久保嘉人のJ1通算161ゴール目で、流れは大きく川崎フロンターレに傾いた。16日の明治安田生命J1リーグ・ファーストステージ第7節で、川崎はFC東京と対戦。1−2で迎えた77分、FW小林悠のスルーパスに走り込んだ大久保がペナルティエリア内で相手のファウルを誘い、PKを獲得した。

「飛ぶな、と思った」。昨年、J1リーグ・ファーストステージ第15節の湘南ベルマーレ戦でGK秋元陽太を相手に、PKを決めた記憶が大久保にはあった。PKを蹴る前は「いつも外すことしか考えていない」からこそ「逆にリラックスができる」。GKが動いた瞬間、大久保はど真ん中に蹴り込んだ。

 56分に追加点を許し、嫌な時間が続いていた川崎にとって反撃の狼煙を上げるゴールだった。小林が「なかなか縦パスが入らないのは感じていました。嫌な時間が続いていたので、どうなるかなとは思いましたけど」と振り返ると、大久保もまた「1点入ればいけると思っていたけど、流れ的にはあんまり良くなかった」と語る。だが、今季の川崎には勝負強さがある。MF中村憲剛が「あそこで追いつけたのは勇気を持てた」と言うように、エースストライカーの同点弾をきっかけに、さらに2点を追加。終わってみれば4得点で逆転勝ちを収めた。

 多摩川クラシコを制した川崎はリーグ戦無敗と好調を維持しているが、大久保は「まだまだこれからが勝負」と気を引き締める。次節は勝ち点差1で3位につける浦和レッズとのアウェー戦。「一試合、一試合を大事にして、粘り強くやっていきたい。次はポイントになる」と闘志を燃やした。