高松商vs英明

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高松商、好敵手から得た闘争心

第1試合9回表二死満塁から執念の逆転三塁打を放った高松商3番・米麦 圭造選手

 3月12日(土)の練習試合初日は西条(愛媛)に強打線が5回まで無得点に封じられ3対6に敗北。市立呉(広島)には8対3と勝利したが、各所に不安点が表出した秋の明治神宮大会王者・高松商(香川)。それらの課題を払拭するべく3月13日(日)には同校グラウンドにおいて県内の好敵手・昨年センバツ出場した英明との練習試合ダブルヘッダーを行った。

 第1試合では西条戦で毎回安打を浴び6回6失点と乱れたエース・浦 大輝(3年・右投右打・179センチ78キロ・香川県立高松北中出身)が先発。5回には英明2年・立花 陽登(三塁手・右投右打・徳島ホークス<ヤングリーグ・徳島県>出身)に代打ソロアーチを浴びるなど、状態は決していいとは言えないながら7回3失点と要所は抑えている。

 浦に続いては二塁手から美濃 晃成(3年・右投右打・170センチ64キロ・高松市立古高松中出身)がマウンドへ。この日は4球団が詰め掛けたNPBスカウトのスピードガンに140キロを灯したストレートとスライダー、カーブを織り交ぜ2回1安打3奪三振無失点。「夏は先発も考えている」長尾 健司監督の目を細めさせた。

 一方の打線は「僕が迷ってしまった」と指揮官が反省する5度の走塁ミスもあり7回までは無得点。しかし、8回表にクリーンナップの3連打で2点を返すと、9回表には二死満塁から3番・米麦 圭造(3年主将・遊撃手・177センチ73キロ・東かがわ市立白鳥中出身)がスライダーに泳がされながら最後は右手一本でライト線に運ぶ起死回生の走者一掃逆転三塁打。この回4点を奪った高松商が、昨秋県大会準決勝で0対1と惜敗したリベンジに燃える英明を辛くも下した。

 試合後「2ストライクに追い込まれたことは反省だが、その後の対応はできた」と逆転打を振り返ったのは米麦。「関西に入ってからの練習試合で、まだ打線になっていない部分や走塁でチャンスをつぶした部分を修正したい。あとは闘争心がもっとほしい」と主将としても冷静に現状を分析し、前向きな課題を並べた。

 なお、第2試合では先発の多田 宗太郎(3年・右投右打・182センチ73キロ・東かがわ市立白鳥中出身)が第1試合の一塁手からマスクをかぶった植田 理久都(2年・右投右打・177センチ79キロ・東かがわリトルシニア出身)のテンポよいリードに導かれ、6回6奪三振1失点の好投。試行錯誤を重ねつつ選択の幅を徐々に広げている高松商は、英明から授かった「闘争心」のバトンも手にして3月16日(火)、いよいよ甲子園へ針路を向ける。

なお、2試合のスコア等は以下の通りとなっている。

(取材・写真=寺下 友徳)

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