中国人旅行客による爆買いは韓国国内でも見られ、韓流ブームの影響もあって爆買いの対象はファッション分野にも及ぶ。だが、中国市場に進出した韓国のファッションブランドの多くは「韓流ブーム」に依存するあまりに中国現地での努力を怠っており、売り上げが芳しくないという。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国人旅行客による爆買いは韓国国内でも見られ、韓流ブームの影響もあって爆買いの対象はファッション分野にも及ぶ。だが、中国市場に進出した韓国ファッションブランドの多くは「韓流ブーム」に依存するあまりに中国現地での努力を怠っており、売り上げが芳しくないという。

 韓国メディアの亜洲経済の中国語電子版によれば、中国市場に進出した韓国ファッションブランドの数は2003年の52ブランドから、14年は200ブランド以上に達したものの、中国国内で韓国以上の売り上げを確保できている企業はごく少数だ。

 これは韓流ブームに頼る一方で、ファッションという本質の競争力強化を怠っているためであり、中国を「在庫消化のための市場としか見ていないため」などと論じた。

 さらに、韓国ファッション界の大手ブランドですら、中国市場では苦戦を強いられていると指摘し、散々な業績で中国撤退を余儀なくされるブランドもあることを紹介。こうした韓国ブランドの苦戦について、一部の専門家からは「在庫を消化させることが中国市場での主要な目的となっており、ファッションブランドの成功を左右するデザインの要素を疎かにしている」との声があがっていることを伝えた。

 また韓国企業の多くは「ファッション分野において中国韓国より遅れている」と認識しており、在庫をさばくための市場としか見ていなかったという声も紹介。こうした認識があったからこそ、韓国ファッションブランド中国市場で苦戦を強いられているのだと指摘した。

 経済成長を背景に、中国ではファッションに気を使う人が増えている。特に若い世代では、韓国や日本、欧米の流行を追う消費者も少なくないが、中国は世界各国のファッションブランドが競い合う巨大市場でもある。いくら韓流ブームという追い風があろうとも、中国市場を「韓国国内における在庫をさばくための市場」と見ているようでは、市場の競争を勝ち抜くことは難しいだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)