慶成高等学校(福岡)

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 大正11年に専修高等簿記専門学校として設立され、平成20年に創立50周年を迎えた慶成高等学校。普通科の他にも、福祉科、コンピュータビジネス科など専門分野を学べる環境があり、それぞれの個性に合わせた教育のもと、多くの卒業生を輩出しています。

 野球部は第92回、第95回記念全国高等学校野球選手権福岡大会でベスト16進出を果たすなど、激戦区福岡で少しずつ頭角を表しています。昨秋の県大会でも4回戦まで進出し、自分たちで目標をたてることの大切さを実感した慶成高校野球部に冬の意気込みをお聞きました!

チーム基本情報を紹介!

■慶成高校の大和 洸君(学年:2年⁄役職:主将)にお話を伺いました!

Q. 部員は何人いますか?

 1年生14人、2年生14人の合計28人です!

Q. 練習のグラウンド環境を教えてください。

 月、水、木、金は学校から3キロ離れた距離にある県営中央公園野球場で練習しています。また、火曜日や球場が使用できない日は学校の校庭や、他の球場を借りて練習しています。

[page_break:今年のチームについて]今年のチームについて!

主将の大和 洸選手(慶成高等学校)

Q. 今年のチームのウリ(セールスポイント)を3つ教えてください。

 バントや機動力を活かし、少ないチャンスをモノにできるのがウリです。また、信頼できるサードコーチャーがいることと、投手を中心としてピンチを守り切る守備ができるところも強みだと思います。

Q. サードコーチャーは大事な得点源にもなるポジションなので、そこに信頼できる選手がいるのは大きいですね!では、この冬のチームとしての目標は何ですか?

 まず、食事やウエイトで体重増加に取り組み、技術と心を磨き人間性を成長させ、個人の能力、そしてチーム力を向上させます!

Q. では、オフシーズンの練習で、『自分たちのチームならでは』の名物練習や、これは本当にキツイというメニューがあれば教えてください。

 小倉北区にある金比羅(こんぴら)山の階段(階段240段150m)ダッシュです。しかも水を入れたポリタンク(20キロ)を持って50秒以内でゴールをするというメニューです。これを150メートル10本、70メートル20本、30メートル30本やります!

Q. 普通に走るだけでも大変なのに、ポリタンクを持って走るのはキツそうですね。そんな厳しい練習を乗り越えた先の、春と夏の目標を教えてください。

 春は九州大会初出場で、夏は、まずは先輩たちを超える福岡県ベスト8。その先は一戦必勝が目標です!

秋の大会を振り返って

Q. 秋の大会はチームにとって、どんな大会でしたか?

 新人戦で負けた常磐高校に必ずリベンジをするんだという意識を持って大会に臨みました!3回戦を突破し、4回戦でもう一度対戦することが出来たのですが、8回に逆転されてしまい、とても悔しい思いをした大会でした。ただ、目標を立てて自分たちで真剣に取り組めば、目標に近づけるということを実感した大会でもありました。

Q. 目標を立てることの重要性に気付いたのですね。では秋の大会を終えて、新しく取り組んでいること、チーム内で変化したことはありますか?

 やらされている練習には限界があるということに気が付いたので、選手だけのミーティングの時間を持ち、学校生活から自分たちでやらなければいけないことを常に意識するようになりました。

Q. 校数の多い福岡県ですが、秋の大会を終えて「このチームと対戦したい!」というチームはありますか?

 前年夏の福岡大会4回戦で対戦し、敗れた東筑高校さんと、常磐高校さんです。常磐高校さんは新チームになってこれまでに行われた新人戦、秋の大会共に負けているからです。公式戦で必ずリベンジします!

Q. ありがとうございます!では、この秋活躍した仲間を教えてください。

 清長 虎之介と福田 智也です。清長はサードコーチャーとして、またベンチから適切な指示を行い、伝令役などでチームを救ってくれました。福田は去年の夏から秋の大会まですべて1人で投げ抜いてくれ、チームを勝利に導いてくれました。

Q. では、今シーズンの意気込みを教えてください。

 自分はまだ新チームに何も貢献できていないので、チームを救うようなプレーをしたいです。そのために今は日ごろから地球を救う運動を心がけています!

Q. 日ごろの心がけがきっと野球にもつながると思います。大和選手の活躍に注目しましょう!それでは、2年生にとっては最後となるオフシーズン。1年生にとっては、初めてのオフシーズンですが、春に向けて、どんな冬にしたいですか?

 今ある環境を受け入れ、与えられた時間の中で、自分たちで雰囲気作りに取り組み、どの高校にも負けないと自負できるくらいに追い込んで練習をしたいです。そして春先は体力面、技術面を鍛え、心を大きく成長させ、良い伝統を残せるよう、2年生が覚悟をもってチームをひっぱり、必死に取り組んでいきます!

[page_break:指導者が語る!このチームの強み]

 ここからは、水嶋 幸太郎選手と稲富 淳斗選手の2人にお話を聞いていきます!

水嶋 幸太郎選手(慶成高等学校)

Q. 高校野球が好きな理由は何ですか?

水嶋 幸太郎選手(以下「水嶋」):全員が一球に対して全力で取り組めるところです。稲富 淳斗選手(以下「稲富」):きつい練習を乗り越えて試合に勝った時、達成感があるところが好きです!

Q. 全力で取り組んだからこそ、試合の後の達成感がありますよね!では、この冬はどのように取り組んでいきますか?

水嶋:体重増加を意識して、体を大きくしたいです。また心が強くなるように、与えられた環境の中、弱音や愚痴をこぼさず、全員で質の高い練習をしていきたいです。

稲富:現状で満足せず、自分達自身で追い込んだ練習をしていきたいです。技術・体力共に強化し、心を成長させ、妥協せず公式戦で結果を残せるように取り組んでいきたいです。

稲富 淳斗選手(慶成高等学校)

Q. 野球をする上でモットーにしている、好きな言葉は何ですか?

水嶋:「ひきしまった笑顔」です。きついとき、つらい時ほど笑顔でやれば自然に上を向けるので、チームの雰囲気が上がるからです。稲富:「一球入魂」です。一球一球に魂を込めて、一つ一つのプレーに、気持ちで負けないように取り組んでいます。

Q. それでは最後に『自分はここまで成長するぞ!』という熱い宣言と夏までの目標をお願いします。

水嶋:自分は身長が小さく、156センチしかありませんが、苦しい時に誰よりも声を出し、そしてしっかりした指示を出せる、高校球界で一番小さな、一番元気のあるキャッチャーになりたいです。また、夏までに野球だけでなく、人間性も磨けるように挨拶、礼儀などもしっかりやりたいです。

稲富:自分はピッチャーとセンターをしているのですが、打撃や守備、投球でもまだまだ、ピンチの場面やチャンスの場面でチームを救うようなことができていません。なのでこの冬の練習で自らを追い込み、チームの勝利に貢献できるような信頼される選手になりたいです。ピッチングでも、冬の練習で体力や技術を強化し、気持ちで相手にぶつかっていくような投手になりたいです。

 ありがとうございました!

指導者が語る!このチームの強み

■大野 泰雄監督に質問!

Q. 今年のチームは、新チームが始まってからどんなテーマをもってチームを作り上げてきましたか?

 人間性、心をどう成長させるか。毎年のテーマではありますが、体力、技術、環境でのどうしようもない差を埋めるためには心を鍛え、人間力を向上させる必要があると思っています。そのために、言い訳せずに今与えられたものを精一杯活かす他はないと思います。自立した「個」と「チーム」を目指し、チーム一同取り組んでいます。

Q. 最後に厳しい冬のトレーニングを送る選手たちへ何か一言をお願いします。

 野球をさせてもらっていることに対して感謝の気持ちを持ち、調子に乗らずに、日々反省し成長していってほしいです。

 冬の厳しい練習を通して心を鍛え、人間力を高め、チームの勝利につなげる。選手と監督の思いは一緒ですね。春、夏の大会での活躍を期待しています!