OneDriveの容量無制限をマイクロソフトが廃止。無料プランは実質30GBから5GBに縮小

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米マイクロソフトが、クラウドストレージサービス「OneDrive」で Office 365 登録ユーザーに提供してきた 容量無制限プラン を廃止すると発表しました。一部ユーザーによる"使い込み"が横行したことが原因と説明しています。また Microsoft アカウントがあれば誰でも使える無料プランも、これまでの実質30GB から 5GB へと大幅に縮小します。クラウドストレージサービスは、使える容量の大きさがユーザー獲得の面で大きな訴求ポイントとなります。ただ、無制限となると無茶な使い方をするユーザーが現れるのも事実で、トレンドマイクロの SafeSync をはじめいくつかのサービスが「当初予想を上回る利用容量」のため「安定的なサービス提供が困難になった」として無制限プランを終了していきました。

マイクロソフトは昨年10月に Office 365 ユーザーのファイルバックアップ用途を想定して容量無制限のサービスを開始。ところが、すぐに一部のユーザーが大量の動画コレクションなどをアップロードし始め、酷い例では1人で 75TB を専有する例まで発生しました。75TB というと、OneDriveのユーザー1人あたり平均使用量の1万4000倍に達するとのこと。

このためマイクロソフトは「オフィス生産性とユーザー間のコラボを促進するためのオンラインストレージ」という本来の目的のため、容量無制限プランの廃止を決定しました。また Microsoft アカウントで利用できる無料プラン、有料プランにも変更を加えます。

主な変更点は以下のとおり。

Office 365 Home /Personal /University の契約者に提供してきた容量無制限サービスを11月2日で終了。新たな上限を 1TB に設定しました。

使用容量が 1TB を超過しているユーザーは、11月2日から12か月間、アップロードしたデータにアクセスする猶予が与えられるものの、その間に使用容量を 1TB 以下に削減しない場合、それ以降はアカウントが読み込み/ダウンロード専用に設定されます。それでも最低6か月間はアクセスが可能ですが、6か月経過後はアカウントがロックされ、ユーザーからのコンタクトがなければ2017年11月にはデータが削除されることになります。

また、有料の 100GB /200GB プランは2016年早々にも終了します。ただ、すでに100GB /200GB プランを契約しているユーザーは引き続きサービスを利用可能です。新たに有料プランを臨むユーザーには 50GB プランを1.99ドル/月で提供予定。

Microsoft アカウント を持っていれば利用できる無料プランも 15GB から 5GB に縮小します。スマートフォン等のカメラロールのバックアップ先に指定することで得られた 15GB のボーナス容量は廃止。無料で利用できるのは 5GB のみとなります。この措置も2016年早々に適用予定です。

すでに使用容量が 5GB を超過しているユーザーには通知を送り、通知から90日を経過しても使用容量を超過している場合はアカウントが読み込み/ダウンロード専用となるものの、9か月間はアクセスが可能です。9か月を経過するとアカウントがロックされ、ユーザーからのコンタクトがなければ1年後にデータが削除されます。

ちなみに、個人向けの Office 365 Solo などについてもマイクロソフトは OneDrive 容量が無制限になると案内していました。ところがOffice 365 Solo を契約したユーザーは、待てど暮らせど容量1TBのキャップは取れず、そのまま容量無制限のサービスが消滅する事態を迎えることとなりました。おそらく OneDrive だけのためにユーザーになったわけではないとは思われるものの、Office 365 Solo ユーザー諸氏の心中、如何ばかりかとお察しいたします。