ラグビー日本代表 ボーナスポイントを狙わなかった背景に緻密な計算があった?
日本代表の活躍がつづくラグビーワールドカップ。3日に行なわれた日本VSサモア戦では、日本代表の試合中の判断が議論を呼びました。
ラグビーワールドカップでは、試合に勝利すると勝点4、引き分けだと勝点2を得られます。しかし、それ以外に「4トライ以上をあげる」「7点差以内の負け」という条件を満たすと、ボーナスとして勝点1ずつが得られます。サモア戦で日本代表は前半だけで2つのトライをあげ、20-0とリードしていたため、4トライをあげてのボーナスポイント獲得に期待が高まりました。
しかし、日本代表は何がなんでも4トライという姿勢ではなく、反則を受けたときにもトライではなくペナルティゴールを狙っていくなど手堅い試合運びに徹したのです。この判断に対しては「ベスト8を目指すなら、1点でも多くの勝点を得るために、もっと果敢に4トライを狙うべきだったのではないか」という声があがりました。
はたして日本は執拗に4トライを狙うべきだったのでしょうか?
結論から言えば、日本代表の「確実に勝点4をとる」という選択は正しいものでした。
.
各チームが2試合ずつを消化した時点で、南アフリカは1勝1敗(勝点4)にボーナスポイント3を加えた勝点7、スコットランドは2勝(勝点8)にボーナスポイント2を加えた勝点10、日本は1勝1敗(勝点4)にボーナスポイントナシの勝点4でした。サモア戦を戦う以前に、すでにボーナスポイントで南アフリカに3点、スコットランドに2点負けており、ボーナスポイントの取り合いでは圧倒的に不利な展開でした。
もし、そこからの残り2試合で各チームが3勝1敗で並んだ場合、日本がサモア戦・アメリカ戦とボーナスポイントを含めて勝点5ずつを得て勝点14まで伸ばしたとしても、勝点でライバルを上回る可能性はありません(南アフリカは最低でも勝点15以上、スコットランドは最低でも勝点14以上になる)。
勝点で並んだ場合は「直接対決の勝者」が上になる決まりですので、スコットランドに勝点で並んだとしても日本が順位で上回ることはありません(※南アフリカと勝点で並んだ場合は日本が上になる)。つまり、サモア戦で何トライ取ろうが、南アフリカ・スコットランドと勝敗で並んだらこのプールの2位以上にはなれない、すなわち「ベスト8には行けない」状態だったのです。
日本にベスト8進出の可能性が生まれるのは、どちらかが2勝1敗1分以下になり、日本が3勝1敗として勝敗で上回った場合のみ。
その場合、南アフリカはスコットランド戦・アメリカ戦を1勝1分で乗り切る想定になります。ボーナスポイントを最大限取れば勝点15に達する可能性もありますが、それは「4トライ以上あげての勝ち、4トライ以上あげての引き分け」というパターンになったときのみで、「ただの勝ち、ただの引き分け」なら勝点6を積み増して勝点13に留まります。
勝点13なら、日本はサモア戦とアメリカ戦で「2勝+ボーナスポイント1」を得れば並ぶことができ、勝点で並べば直接対決の結果によって南アフリカを上回ることができます。要するに「サモア戦かアメリカ戦かどちらかで4トライ以上をあげて2連勝する」が目指すべき現実的なラインだったのです。ならば、サモア戦で強引にトライを狙うよりも、より勝ちやすいであろうアメリカ戦でボーナスポイントを狙うほうが適切でしょう。
もう一方のスコットランドはどうかと言うと、スコットランドは南アフリカ戦・サモア戦を1敗1分で乗り切る想定になります。ボーナスポイントを最大限取れば勝点15に達する可能性もありますが、それは「4トライ以上をあげてなおかつ7点差以内での負け、4トライ以上をあげての引き分け」となったパターンの話。「ただの負け、ただの引き分け」なら勝点2を積み増して勝点12に留まります。
ラグビーワールドカップでは、試合に勝利すると勝点4、引き分けだと勝点2を得られます。しかし、それ以外に「4トライ以上をあげる」「7点差以内の負け」という条件を満たすと、ボーナスとして勝点1ずつが得られます。サモア戦で日本代表は前半だけで2つのトライをあげ、20-0とリードしていたため、4トライをあげてのボーナスポイント獲得に期待が高まりました。
はたして日本は執拗に4トライを狙うべきだったのでしょうか?
結論から言えば、日本代表の「確実に勝点4をとる」という選択は正しいものでした。
.
各チームが2試合ずつを消化した時点で、南アフリカは1勝1敗(勝点4)にボーナスポイント3を加えた勝点7、スコットランドは2勝(勝点8)にボーナスポイント2を加えた勝点10、日本は1勝1敗(勝点4)にボーナスポイントナシの勝点4でした。サモア戦を戦う以前に、すでにボーナスポイントで南アフリカに3点、スコットランドに2点負けており、ボーナスポイントの取り合いでは圧倒的に不利な展開でした。
もし、そこからの残り2試合で各チームが3勝1敗で並んだ場合、日本がサモア戦・アメリカ戦とボーナスポイントを含めて勝点5ずつを得て勝点14まで伸ばしたとしても、勝点でライバルを上回る可能性はありません(南アフリカは最低でも勝点15以上、スコットランドは最低でも勝点14以上になる)。
勝点で並んだ場合は「直接対決の勝者」が上になる決まりですので、スコットランドに勝点で並んだとしても日本が順位で上回ることはありません(※南アフリカと勝点で並んだ場合は日本が上になる)。つまり、サモア戦で何トライ取ろうが、南アフリカ・スコットランドと勝敗で並んだらこのプールの2位以上にはなれない、すなわち「ベスト8には行けない」状態だったのです。
日本にベスト8進出の可能性が生まれるのは、どちらかが2勝1敗1分以下になり、日本が3勝1敗として勝敗で上回った場合のみ。
その場合、南アフリカはスコットランド戦・アメリカ戦を1勝1分で乗り切る想定になります。ボーナスポイントを最大限取れば勝点15に達する可能性もありますが、それは「4トライ以上あげての勝ち、4トライ以上あげての引き分け」というパターンになったときのみで、「ただの勝ち、ただの引き分け」なら勝点6を積み増して勝点13に留まります。
勝点13なら、日本はサモア戦とアメリカ戦で「2勝+ボーナスポイント1」を得れば並ぶことができ、勝点で並べば直接対決の結果によって南アフリカを上回ることができます。要するに「サモア戦かアメリカ戦かどちらかで4トライ以上をあげて2連勝する」が目指すべき現実的なラインだったのです。ならば、サモア戦で強引にトライを狙うよりも、より勝ちやすいであろうアメリカ戦でボーナスポイントを狙うほうが適切でしょう。
もう一方のスコットランドはどうかと言うと、スコットランドは南アフリカ戦・サモア戦を1敗1分で乗り切る想定になります。ボーナスポイントを最大限取れば勝点15に達する可能性もありますが、それは「4トライ以上をあげてなおかつ7点差以内での負け、4トライ以上をあげての引き分け」となったパターンの話。「ただの負け、ただの引き分け」なら勝点2を積み増して勝点12に留まります。