利便性は高まったが…

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上野東京ラインが開通して間もなく半年。当初から遅延の多さに注目が集まったが、未だ遅延の減る様子はない。複数の路線がつながって利便性が高まった一方、1区間でのトラブルが広範囲に影響するという課題も浮上している。

「また上野東京ラインのせいで遅れた」――そんな報告が毎日のようにネットで飛び交う。真偽不明ながら、開通から現在まで定時運行された日が1日もない、と指摘する人も現れた。

「毎日遅れまくる」と批判

2015年3月14日に開通した上野東京ライン(上野〜東京駅間)は、東海道線と東北本線、高崎線、常磐線、京浜東北線など複数の路線をつなげた。直通運転を通じ、関東各県を結ぶ広大な交通網を形成した。

しかし一方では、運転区間の広さゆえ、1つのトラブルが広範囲に影響を及ぼす。3月30日には京浜東北線鶴見駅、大森〜蒲田駅間で相次いで人身事故が発生。東海道線から高崎線、宇都宮線への直通運転が一部中止となった。

また、高崎線の籠原〜深谷駅間に線路支障が見つかった6月22日、京浜東北線蕨駅で人身事故が発生した7月28日にも上野東京ラインを経由した直通運転が一部取りやめとなっている。

当然、遅延も多くなった。6月23日付け朝日新聞電子版によると、上野東京ラインの直通運転が行われている路線に関し、JR東日本が3月末から5月末の平日41日間を対象に朝のラッシュと夕方のラッシュで5分以上遅れた事例を調査したところ、東海道線は32回と前年同期の1.7倍に増加。宇都宮線は38回、高崎線は34回、常磐線は38回でいずれも前年同期より10回以上増えていたという。

ちなみに、9月3日午前も常磐線の線路内点検が影響して数分の遅れが出た。

湘南新宿ラインにも同様の指摘

こうした状況に対し、ツイッターでは

「毎日遅れまくる」
「遅延が平常になっている」

といった怒りの声が上がっている。「上野東京ライン被害者の会」というハッシュタグも作られ、利用客が日々愚痴を書き込む。

また、確認は取れていないが、開通から9月2日までの172日間、毎日遅延が生じていると、表を添えて指摘するツイッターユーザーも現れた。ただ、表には直通運転車両以外の運転中止、遅延の事例も多数含まれているため、仮に事実であってもすべてを「上野東京ラインの遅延」と見るのは難しそうだ。

長い距離を直通運転でつないだため、関係する路線の遅延や運転中止が多くなる。こうした問題は、東海道線、横須賀線、高崎線、宇都宮線をつなげて2001年に開通した湘南新宿ラインにも共通する。

湘南新宿ラインでトラブルが発生すると、一部区間を並走する埼京線、山手線、京浜東北線なども間接的に影響を受けてしまう。5月15日には埼京線の新宿駅で線路に人が立ち入り、湘南新宿ラインの上下線で一時運転見合わせとなった。

ネット上では、日常的に遅延が生じる状況を揶揄した「SSS」(死んだ湘南新宿ライン)という言葉も生まれている。