88年世代の代表格でもある広島の前田健太©BASEBALLKING

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 一昔前は、松坂大輔、藤川球児、杉内俊哉ら『松坂世代』と呼ばれる面々が日本の野球界を支えてきたが、18日の『マツダオールスターゲーム2015』第2戦で、88年生まれの会沢翼(広島)がMVPを受賞するなど、『88年世代』が野球界の中心になりつつある。

 88年世代の顔ぶれを見てみると、活躍の舞台をメジャーに移した田中将大(ヤンキース)、広島のエース・前田健太(広島)、巨人の若き主将・坂本勇人(巨人)などがいる。そして、今年行われたオールスターでは、88年世代が世代別では最多の9人が出場した。

 今年に入ってから田中、前田だけでなく、その他の88年世代の選手たちが、球界の顔になってきている。秋山翔吾(西武)は、イチロー以来2カ月連続で40安打を記録するなど、開幕から驚異的なペースで安打を量産。前半戦だけで140安打をマークし、このままのペースでいけば、シーズン233安打計算となり、2010年に記録したマートン(阪神)のシーズン214安打を大きく上回る。昨季は打撃不振で二軍降格も味わったが、5年目の今季球界を代表する選手へと成長した。

 秋山とハイレベルな首位打者争いを繰り広げる柳田悠岐(ソフトバンク)も88年世代だ。日本人離れした体格から豪快なバッティングで、プロ野球ファンを熱くさせている。柳田の凄さは打撃だけでなく、足でもリーグ3位の16盗塁を決めるなど、攻走守3拍子が揃ったプレーヤーだ。

 投手陣では、大野雄大(中日)がリーグ最多の9勝をマーク。佛教大から10年ドラフト1位で中日に入団も、最初の2年間は故障などもあり、少し出遅れた。だが、13年に初めて二桁勝利を挙げると、現在2年連続二桁勝利中。今季はすでに9勝をマークしており、3年連続二桁勝利に加え、最多勝のタイトルも視野に入っている。

 リリーフ陣も沢村(巨人)、高橋朋己(西武)などが守護神を任されている。社会人出身の高橋朋がプロ入りしたときには、すでに田中や前田がチームのエースだったが、遅咲きの左腕は1年目からリリーフで活躍。2年目の昨季から抑えを任され、今季も21セーブを挙げている。

 こうしてみると、88年世代は大学、社会人からプロ入りした選手たちが、力を付けている印象だ。20日からスタートする後半戦でも、88年世代の活躍から目が離せない。

◆88年世代で活躍が目立っている主な選手

<投手>

前田健太(広島)

今季成績:16試 8勝5敗 防2.04

大野雄大(中日)

今季成績:17試 9勝4敗 防2.13

増田達至(西武)

今季成績:42試 2勝3敗29H 防2.81

沢村拓一(巨人)

今季成績:35試 4勝3敗20S 防1.60

高橋朋己(西武)

今季成績:35試 1勝1敗21S 防2.34

<野手>

秋山翔吾(西武)

今季成績:86試 率.379 本8 点30

柳田悠岐(ソフトバンク)

今季成績:81試 率.367 本17 点52

梶谷隆幸(DeNA)

今季成績:76試 率.295 本6 点37

坂本勇人(巨人)

今季成績:75試 率.269 本7 点40

会沢翼(広島)

今季成績:57試 率.271 本4 点21

※成績は7月18日時点