土屋礼央の「ざっくり聞くと」(第9回)〜奥深きコスプレ・ワールド〜
土屋:ちょっとコミケの事聞きたいです。カメラ小僧の方々とのハプニングとかあるんですか?
渚:私自身はあまりないですが、最近は「ローアングラー」という、すごい低い位置からパンツとるのに命かけてる人がいるらしく。あの人たちが、勝手に人のパンツを撮ってトラブルになってるケースが多いです。
土屋:やっぱり、いやらしい目で見る人は苦手ですか。モーターショーのコンパニオンの人って、それをすでに受け入れている気がするのです。レイヤーの人って、その辺はどうなんですか?
渚:うーん、複雑だなぁ。写真を撮る時に「白猫のアイリスのコスプレですよね」ってわかって撮ってくれる人は嬉しい。元ネタがあって、それのコスプレをしているので。ただ写真だけ撮るというのも好きではないけど、嫌でもないです。もはや受け入れていますが、やっぱりその作品を知っていて撮影してくれるほうが嬉しいですね。撮影する人は下心があってもいいと思いますが、撮るなら作品をわかって撮って欲しいです。
土屋:愛を持って撮ってほしい、興味本位では…ってことですよね。撮影のマナーみたいなものはありますか? かわいいから顔だけ撮らせてほしいみたいなこと言われて困ったりしない?
渚:まあ、そんなに近すぎても写真撮れないですよね(笑)。マナーというか、イベント会場…特にコミケとかだと、囲みの撮影になることが多いんですが、撮り終わったら次の人に場所を譲ったり、ずっと長引いてしまったらカウントとってもらったりしています。
土屋:「この人はきれいに撮ってくれるから好き!」みたいなのはあるんですか。
渚:好きな写真を撮ってくれるカメラマンさんとは、自然に仲良くなる気がする。
土屋:これは、新手のナンパですね!
渚:ですね(笑)。そういうこともあります。写真がうまかったらナンパ成功ですし、ダメだったらダメ。ナンパに成功したかったらカメラの腕を磨いて来い!っていう(笑)。カメラの腕が上手くないと、レイヤーさんと仲良くなれない。あと、今日の取材のスタッフさんが持ってるみたいな、いいカメラを持っていけばモテますよ(笑)。「このレンズは…」って。
土屋:やっぱり男はずっと値踏みされてるんだよ(笑)。
渚:婚活なんかでは、相手の仕事や年収を気にするじゃないですか。そういう値踏みの方法がレイヤーにもあって。カメラって高いじゃないですか、レンズも高いし。だから、カメコの人たちのカメラの機種と、レンズもどのくらいの価格帯のものを持っているかを見て、「このくらい買えるからこの人はお金持ちなのかな」って。しょっちゅう機材を変えたりしてる人は確実に…(笑)。そういうところでカメコさんを選ぶって人もいますね。お金持ってたほうが、スタジオを借りてくれたり、送り迎えしてくれたりするし、誕生日にはプレゼントをもらえるし。
土屋:彼氏じゃなくても?
渚:彼氏じゃなくても、です。
土屋:じゃあ、そういうファン的な人が何人もいたりする人もいるんだ?
渚:私もその時代だったらなぁ。
土屋:ちょっと遅いの?
渚:年齢的に(笑)。
土屋:若い子のほうがウケる?
渚:17、18歳とかですね。22、23歳になると、もう年取ってる。
土屋:渚さん、全然若く見えるじゃないですか。
渚:ダメなんですよ、ダメなんです(笑)。話すと年齢わかるし。私の場合はプロフィールも出ちゃってるので!
土屋:ある程度の年齢になったら引退とかするものなの?
渚:本当は25歳くらいでやめようと思っていたんですけど、案外イケるなと思って続けていたらこの年齢になりました。
土屋:イケるよ! だって、この年齢じゃなきゃできないキャラクターもあるでしょ?
渚:ありますね。あとは、Photoshopの普及でコスプレイヤーの年齢も上がったと思います(笑)。
土屋:渚さんのブログの写真を見ても、けっこう加工されているものが多いので、「本当はこんな綺麗じゃないんでしょ!?」って、今日は上から目線で来たんですよ(笑)。そうしたら写真の通りの美しい方で。生身のほうがお綺麗ですよね。
渚:いやいやいやいや! そんなことないですっ! 加工がないと生きていけないです(笑)。
土屋:コスプレやってて、良かった事って?
渚:コスプレ仲間ができたことと。それから、コスプレ占い師として仕事につながったことですかね。
土屋:コスプレやっている自分と、やってない時の自分とどっちが好きですか? 外見および内面で。
渚:コスプレしている時の自分けっこう好きかも(笑)。むしろコスプレしている時のほうが生き生きしてる感があります。