土屋:ちなみにレイヤーの最高峰の舞台って何ですか? ファッションで言うと「パリコレ」的な。

渚:愛知県で1年に一度「世界コスプレサミット(WCS,WORLD COSPLAY SUMMIT)」っていうイベントが開かれていて、世界中から集まったコスプレイヤーの代表がパフォーマンスで競うんです。たぶんそれが一番大きなイベントだと思います。

土屋:コスプレ大国ってどこの国なんですか? 「サッカーはブラジル」的な。

渚:やっぱり日本が一番多いですね、発祥の地でもあるので。

土屋:へー! 若い子って何歳ぐらいからいるんだろう。小学生が過激な衣装着てたら親は心配にならない?

渚:18年もやっていると、コスプレイヤーが人の親になっているケースが多々あって。3歳とか、小さなうちからコスプレをさせているってのもよく見かけますね。

土屋:親子で! 親子コスプレだと、どのようなキャラが人気ですか。サザエさん? 巨人の星とか?

渚:(爆)! なぜか「銀魂」とかよく見ますね。子供だから特に子供のキャラクターのコスプレをする、っていうわけではなさそう。

土屋:コスプレイヤーの男女比率はどうですか?

渚:女性9割で男性1割と言われています。だから、男性レイヤーさんはすごくモテるんです。それでちょっとだけでも顔が整っていたりなんかしたらモテモテ(笑)。

土屋:そうだよね、そのキャラクターが好きで、それに似ている男性がいたら、そりゃあそうだよね(笑)。レイヤーに憧れる人に向けて、衣装製作でおすすめのミシンを教えてください。レイヤーを目指している人は、すごく興味があるんじゃないかと思います。

渚:なんでもいいと思います(笑)。私も、適当に買ったブラザーの1万円くらいのミシンをいまだに使ってます。

土屋:布はやっぱりユザワヤ?

渚:日暮里がメインですね。日暮里に繊維の問屋さんが多いので。

土屋:衣装ごとにイメージして、買っていくの? それともまとめ買いでお安く?

渚:生地にはけっこう気を使っています。たとえばメーテルだと、黒のコートを着ていて暖かい格好しているよう見えるじゃないですか。「雪国から来たのかな?」「雪国から来たなら、着ているコートの生地が薄いわけがない。彼女はどういう生地を好んで着るんだろう? スエード? ちがうなカシミヤかな…」と、彼女の気持ちになって生地を選んでいますね。キャラクターが何でこの服を着ているのか、どんな性格でどんなバックボーンなのかで、生地はおのずと決まってきますね。


土屋:なるほどねぇ…! ようやくわかってきた! Nゲージだ! ジオラマだ! 通じ合った!ついに通じ合いました! 電車が走ってればいいってもんじゃなくて、その背景となるジオラマを考えていく。

渚:そういうことです! その電車がなぜここにいるのかを考えるってことですね。