千葉敬愛vs小見川
昨年秋がベスト8、そして今春がベスト4に進出して、県大会で確実に実績を残してきている千葉敬愛。山崎 祐司監督が就任して3年目、初めてのAシードとして夏の大会に挑むこととなった。そんなこともあって、試合前のシートノックなどでは、いくらか緊張しているなという様子が感じられた。
まだ、梅雨の最中だというのに、この日はまるで真夏のように太陽が照り返していて、気温も35℃近くまで上がってきている。また、台風の影響もあるのだろうか、風も強く舞っている感じである。そんなコンディションの中で試合は始まった。
初回の千葉敬愛は先頭の吉原君が四球で出塁するとすかさず二塁盗塁。バントで進めて一死三塁を作ると、ここで近年流行の“ゴロGO”戦術で、竹内君の遊撃ゴロの間に生還して、無安打で先制した。この1点で、千葉敬愛としては初戦の緊張感とプレッシャーからいくらか解放されたのではないだろうか。千葉敬愛の先発は春躍進の原動力となったエースナンバーの吉野君ではなく、2年生で背番号11の石松君だ。春は、大事な場面に代打で起用されて安打するという勝負強さも持っている。その石松君は、先頭の荒川君には巧みに合わされたものの、続く3人を3者連続三振。2回も三振を奪い続けて、自分のリズムを作っていった。
そして3回の千葉敬愛、小見川の加藤 拓海君がもう一つ制球が定まり切れないところを突いて、連続四球と内野ゴロで一死二、三塁とした。ここで、石松君の飛球が風安打となり、7番伊藤大君や1番吉原君のタイムリー打なども出て、この回4点が入った。
4回と5回にも、千葉敬愛は先頭が出るといずれも盗塁絡みで一死三塁を作り、4回は犠飛で5回はスクイズで、それぞれ三塁走者を帰している。さらに、6回には7番伊藤大君、8番石井君と下位の連打と押し出しなどもあって3点を追加した。こうして、1点1点の積み重ねが結果として大量点となって6回コールドゲームを成立させた。
石松君は、6イニングで3安打14奪三振で二塁へも進めさせないという力投だった。結果的に、エース吉野君を温存することができた。シード校として、先を見据えながらの戦いを続けていかなくてはいけないという立場でもあることを思えば、この日の石松君の好投は、千葉敬愛にとっては好材料だったということがいえよう。
小見川は、ほとんどいいところを示すことなく敗れてしまった。そんな中で、先頭の荒川君だけは石松君の力のストレートをとらえていて2安打して気を吐いた。
(文=手束 仁)
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