文武両道を高いレベルで実践!各地区トップクラスの進学校を紹介!【西日本編】

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 野球が強い伝統校や進学校の特集、西日本編。ここでは、奈良県内でトップの偏差値を誇り、野球部も甲子園出場を果たしている郡山。激戦区・大阪で甲子園へ行くために限られた練習時間と環境で取り組んでいる四條畷。山口県内でも指折りの豊富な甲子園出場経験を持つ岩国。短い練習時間でも質が良ければ甲子園に出場できると各地の進学校に希望を与えた岡山城東。そして、強豪校が混在している福岡県でプロ野球選手も輩出し、1991年以来の甲子園出場に向けて奮闘している福岡大大濠の歴史や進学状況、近年の状況を見ていきたい。

奈良県立郡山高等学校

奈良県立郡山高等学校

 奈良県屈指の進学校。進学面では土曜・早朝授業、習熟度別授業、学力補充講座がおこなわれており、勉学の次に部活動という位置づけ。なかでも学力補充講座に関しては成績不振の生徒対象におこなわれ、その間は部活動参加が一切許されないという徹底ぶりだ。とはいえ、サッカー部も第93回全国高校サッカー選手権に出場するなど、部活道でも優秀な成績を収めている。一見厳しいとも思える指導でも、それにより生徒たちはしっかりと成長を遂げている。

 野球部は、郡山のOBである名将・森本 達幸監督が47年間の監督生活で甲子園に11回出場。その間、荻野 貴司選手(千葉ロッテマリーンズ)など数多くのプレーヤーを輩出してきた。そして2009年奈良大会決勝戦で天理に敗れた(試合レポート)のを最後に森本監督は勇退。2010年以降なかなか最近は勝ち上がれていないが、名門校復活を目指して、再建途中である。

▼主な進学実績(2015年度卒業生)京都大学:2人(1)大阪大学:11人(5)神戸大学:13人(6)

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大阪府立四條畷高等学校

 2009年に進学指導特色校(GLHS)の指定を大阪府から受け、京都大学や大阪大学と連携し、グローバル社会をリードする人材の育成を行っている、大阪を代表する進学校である四條畷。2012年度からは理数系のスペシャリスト育成するスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定も文部科学省より受け、ますます教育に力を入れている。生徒会活動や部活道も盛んで、大阪府における文武両道を体現しているような存在だ。

 野球部は今年の春季大阪府大会で、大体大浪商や近大附などの強豪校を破り、ベスト8進出。大躍進を果たした。現在部員は60人で活動し、部員の中でも京都大学や大阪大学のような難関大学を目指している生徒も多いことが特徴。「いかに集中して質を上げていくか。野球も一緒だと思います」と選手が語るように(四條畷高校野球部訪問)、部活も勉強も、少ない時間の中でいかに成果を上げるかを考え、実践し続けている。

▼主な進学実績(2015年度卒業生)京都大学:16人大阪大学:25人神戸大学:33人

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[page_break:山口県立岩国高校/岡山県立岡山城東高校/福岡大学附属大濠高校]山口県立岩国高等学校

山口県立岩国高等学校

 全日制単位制の岩国。学校は普通科の他に理数科があり、在籍者は数学・理科の時間が多くあり基礎力から応用力まで身に付くように指導されている。また、県内で他に理数科がある学校と合同でセミナー合宿をおこなったり、研究の成果を発表する大会を行ったりと、実戦的なプログラムが設置され、実績を上げている。

 野球部は2000年以降、甲子園に7回出場。全て率いているのが河口 雅雄監督である。1992年からコーチとして母校・岩国の指導に携わっているが、公立高校野球部の監督では珍しく、現在も教員ではなく会社員。特に2014年度は春・夏甲子園に出場し、山口県で際立った強さを誇る代であった。

▼主な進学実績(2015年度卒業生)東京大学:2人(1)広島大学:15人(14)山口大学:21人(16)

岡山県立岡山城東高等学校

 1987年開校の比較的新しい学校だが、その分、教育体系も新しい。人文社会、理数、国際教養、音楽という4つの「類型」と呼ばれる学習体系から単位を選び、カリキュラムを組んで専門性を深めていくという、「ただ与えられたものを学ぶ」というだけでない経験を積んでいく。2014年にはスーパーグローバルハイスクール(SGH)の指定も受け、生徒たちは学校が唱える「ステージは『世界』だ!」という言葉の実現を目指している。

 野球部は過去甲子園に5回出場。1996年に出場した選抜ではベスト4という好成績も残した。短い練習時間でも集中して取り組むのが岡山城東のスタイルだ。創部当初から山崎 慶一監督が指導してきたが、私立の岡山学芸館高校へ招聘されチームを離れて以降、思うような結果は出せていない。再度、短い練習時間でも甲子園に出場できるんだという希望を与えられるような学校であってほしい。

▼主な進学実績(2014年度卒業生)東京大学:2人(2)京都大学:4人(2)岡山大学:75人(66)

福岡大学附属大濠高等学校

 福岡を代表する進学校であり、月曜から金曜は、毎日みっちり7限まで授業がある福岡大大濠。3年生はこれにプラスして、放課後の補講もある。テストが非常に多く、1年間に5回の定期考査、6回の実力考査、校内作成の実力テスト、英語コミニュケーションテストなどを実施し、学習成果の確認は怠らない。また、部活動も盛んで野球の他、サッカーやバスケットボール等でも選手を多く輩出している。

 野球部は過去甲子園に6回出場。この6回は全てOBでもある中野 正英監督が導いた。大石 達也(西武ライオンズ)や川原 弘之(福岡ソフトバンクホークス)なども中野監督の教え子にあたる。選手指導に定評がある指導者であったが2010年を最後に勇退している。以降も2012年夏に県大会ベスト4へ進出するなど県内での力は安定しており、1991年の選抜を最後に途絶えている甲子園出場へ向け、虎視眈々と視線を向けている。

▼主な進学実績(2015年度卒業生)・九州大学:59人・東京大学:2人・佐賀大学:18人

 以上が編集部独自の視点から文武両道を実践している進学校、西日本編を紹介した。なかには現役プロ野球選手を輩出している進学校も多くあるので、勉学・野球と高いレベルの選手が今後、輩出されるのかにも注目していきたい。

 

(文・編集部)

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