鹿児島玉龍vs武岡台
エース内田 悠亮(3年)、捕手・久保 塁(3年)、4番・遠藤 伊知郎(3年)…14年春準優勝(試合レポート)を経験したメンバーが、バッテリーと4番で残る鹿児島玉龍は、この年代がスタートした当初は優勝候補の一角に挙げられるチームだった。だが、ふたを開けてみれば、昨秋、今春と県大会では1勝も挙げられず、勝ち上がれる確信がつかめないまま臨んだ夏だった。武岡台との初戦は、苦しみながらも粘って逆転勝ちし、昨夏以来1年ぶりに勝利の校歌を歌うことができた。
初回に先発の左腕・小谷 祐介(3年)が打ち込まれて2点を失った。立ち上がりから苦境に立たされた鹿児島玉龍だったが、その裏に4番・遠藤のレフト前タイムリーで1点を返す。2回以降は小谷が持ち味のテンポの良い投球が戻って試合を立て直した。
4回に5連続四死球で労せず逆転に成功すると、8番・中島 克大(2年)の2点タイムリーと併殺崩れでさらに追加点を挙げ、この回5点を奪って主導権を手繰り寄せた。
5回から満を持してエースの右腕・内田がリリーフに上がった。やや広めにスタンスをとったセットポジションからの投球には躍動感があった。140キロ近い速球を持ちながら、突然四死球を連発し自ら崩れてゲームを作れない。大きな課題と向き合ってきて、この夏は抑えの役割が与えられた。
この日は、スライダーできっちりファーストストライクがとれたことで、自分の間合いで投げられた。終盤、蒸し暑さにばてて、身体をうまく使えず、四死球が続いた場面もあったが、久保がマウンドに行ったり、ベンチから伝令が出るなどでうまく切り替えることができた。9回はあっさり三者凡退で切り抜けた。
終わってみれば、5イニングを投げて、四死球3と暴投はあったが、被安打0、5奪三振と及第点の内容。エース内田に復調の兆しがみえ、ようやく県大会1勝を挙げたことで、今後の戦いに自信をつかめた様子だった。
(文=政 純一郎)
この夏にかける熱い思いを聞きました!【僕らの熱い夏】市立鹿児島玉龍高等学校(鹿児島)(2015年06月19日)
関連記事・第97回全国高等学校野球選手権大会特設ページ・あの学校の取り組みは?!鹿児島県の野球部訪問を一挙紹介!・夏よりも熱い!全国の野球部に迫った人気企画 「僕らの熱い夏2015」