春から、さらなる進化を遂げる興南打線

　春の覇者（試合レポート）第一シード興南が満を持して登場。迎え撃つは沖縄を代表する好投手石川の浜川 優馬で、さしもの興南打線も手こずるのではないかとの予想もあったが、その力は余りにも桁外れだった。

　1回裏はゼロに終わった興南打線だったが2回、二死二塁として我那覇 真がレフト前へ先制打となるタイムリーを放つと、続く比屋根 雅也も右中間を破る三塁打で2点を挙げる。さらに興南は3回、一死一塁として4番喜納 朝規がライトスタンドまで運ぶ2ランホームランで試合を優位に進めた。

　我那覇、比屋根、喜納と共通していたのは右へ左へと引っ張る力強い打撃。春からさらなる進化を遂げたニュー興南打線を強く印象づける、序盤のたたみ掛けでもあった。

　6回にはツーアウトからヒットで出塁した仲 響生を置いて、主将の比嘉 龍寿がレフト線を破るタイムリー。8回頭から登板したタイシンガー ブランドン 大河に対しても9回、一死二・三塁として石川 涼が犠飛を放ち6点を奪って快勝。投げてはエース比屋根が、散発の3安打で三塁を踏ませず、最後まで危なげないピッチングを披露。春から続く県内公式戦連続イニング無失点の記録を40へ伸ばす完封勝利で、5年ぶりの聖地へ興南がこれ以上ない最高のスタートを切った。

（文＝當山 雅通）